第8回 「シェイプ・オブ・ウォーター」
愛したのは、“半魚人”の彼でした――。奇才、ギレルモ・デル・トロ監督が描く、ファンタジックなラブストーリー

映画好っきゃねん

第8回 「シェイプ・オブ・ウォーター」

〈お読みになる前に〉
1.すべて個人の感想および妄想(?)です。 
2.時々、大阪弁が含まれます。アレルギーをお持ちの方は、この機会に克服したらエエんちゃう? 
3.まれに調子に乗り過ぎて、わけのわからん「なにこれ」原稿になっている場合がありますが、反省はしません。本人はすこぶる上機嫌なので、知ったこっちゃありません。 
4.お叱りは受けつけません。傷つきます(笑)。

 

 

ゲテモン映画?

 愛したのは、“半魚人”の彼でした―。なんやそれ、ゲテモン映画かいなと思うなかれ。どんどこ引き込まれていってしまうのは、さすがというべきか、独自の作風で知られるファンタジーの奇才、ギレルモ・デル・トロ監督作品。
 政府の極秘研究所で清掃員として働くイライザは、ある日、運び込まれた奇妙な物体を目撃します。水槽に封じ込められたそれは、人間とよく似た体形の、しかし容姿はまるで異なる生き物でした。イライザは彼と交流するようになるのですが、時は米ソ冷戦時代。ソ連に奪取されることを恐れた米軍部は、生体解剖を決定。イライザはなんとか救い出そうとしますが……。

 

言葉はなくとも

 人間と半魚人。もちろん、言葉は交わせません。そもそも、イライザは、声が出せないのです。なればこそ、同じ境遇の彼に、心ひかれたのかもしれませんね。その愛の高まりゆく姿を、デル・トロ監督は、優しく繊細に紡いでいきます。見てるこちらは、「イライザはおかしいんやないのか」とか、「半魚人キモイ」とか、そんな“まっとう”な了見はすぐに失せてしまいます。ただただ、2人の愛の行方を見つめるばかりです。

 

今の世界への風刺

 前回も書きましたが、理解できないものは排除する、逆に、自分たちの思想を押し付けようとする風潮が世界的に広がっていることは、多くの識者が指摘するところだと思いますが、ニュースなどを見ていると、さもありなんとの思いは強まるばかりです。デル・トロ監督は、そんな世界を風刺しているのかもしれません。
 おっと、政治的な話になってしまいましたので、この辺で。とにかく、2人の愛の物語のみずみずしさを、感じてください。なんて、なんや監督のインタビュー記事みたいになってしまいました。ごめんなさい(笑)。 (岡井哲弥)

 

〈公開情報〉
関西では、TOHOシネマズ梅田ほかで3月1日から公開中。


〈筆者につきまして〉
主に朝日新聞の「アリーナ」映画面の執筆をしております。そもそも「朝日ファミリー」で映画担当になって……んっ、四半世紀ってか。んなオヤジのデジタルデビュー、好き勝手に書かせていただきますが、温かく見守ってやってくださいまし。





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