第3回「草原の河」
チベットの親子三代の物語。チベット人監督初の劇場公開作

「映画好っきゃねん!」
第3回 「草原の河」

〈お読みになる前に〉
1.すべて個人の感想および妄想(?)です。 

2.時々、大阪弁が含まれます。アレルギーをお持ちの方は、この機会に克服したらエエんちゃう? 

3.まれに調子に乗り過ぎて、わけのわからん「なにこれ」原稿になっている場合がありますが、反省はしません。本人はすこぶる上機嫌なので、知ったこっちゃありません。 

4.お叱りは受けつけません。傷つきます(笑)。

 

チベットの大地に生きる親子三代の物語
 親と子。その関係の濃さゆえに、うざったいものだったりもしますわね。愛憎半ば、時には、抜き差しならぬことになったりもして。日本とは生活環境も習俗もまるで違う、チベットに生きる遊牧の民とて、事情は同じ。監督はチベット人のソンタルジャ。チベット人監督作品の日本公開は初めてだとか。
 定住する家はあります。でも夏には、草原に羊を追う暮らし。今はテントはトラックで運ぶし、牧羊にはバイクを駆る。少しずつ、変化していく暮らしの中で、幼い女の子を中心に、物語は展開します。
                  ©GARUDA FILM
 父は無口でぶっきらぼう、笑顔一つ、見せません。そのまた父親、女の子のジイチャンは病気なのに、お見舞いにも行かない。女の子には、それが不思議で不満。実はある確執から疎遠になっていて、母は親類やら村人から、親を捨てたみたいに言われて嘆いています。女の子は、そんな両親を見ていて、幼い心を痛めます。そんな折、お母さんのおなかに赤ちゃんがいることを知らされます。うれしいだろうと言われても、戸惑うばかりの彼女は……。


 家族間だけでなく、コミュニティーっていうのも、時に、うざいもの。みながみな知り合いのようなところではなおのこと、でも人と人、時には切り結ばねばならない局面にも出くわすけれど、情けが身に染みる時もある。

 人間ちゅーもんは、ほんに、メンドーくさい。
 かといって、世を捨てる覚悟なんぞ、あるわけもなし。

 遠く山々を見晴るかす、悠久の大地。その光景を余すところなく、厳として削り込まれた、静謐(せいひつ)な映像美。そこに暮らす人々の、生と死。
 この女の子のナチュラルな表情を見るだけでも、価値はあります。
アスファルトの“大地”と、コンクリートに遮られて見通せない、せわしい日常の中で、生も死も、ともすれば忘れがちなことを、思い出させてくれるから。
(岡井哲弥)

●公開日程
5月6日(土)から、第七藝術劇場、6月10日(土)から、 神戸アートビレッジセンター、順次京都シネマ で公開。
※情報は執筆当時のものです。事前にご確認の上、お出かけください。終了してても知りません(笑)。

 

〈筆者につきまして〉
主に朝日新聞の「アリーナ」映画面の執筆をしております。そもそも「朝日ファミリー」で映画担当になって……んっ、四半世紀ってか。んなオヤジのデジタルデビュー、好き勝手に書かせていただきますが、温かく見守ってやってくださいまし。




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