【新大阪駅】なぜ阪急? JR2社に地下鉄も参戦して進化するターミナル 将来は地下にも注目!?

 

 大阪の玄関口「新大阪駅」がここ数年で、大きく様変わりしている。

 東海道・山陽新幹線と、JR東海道線(京都線)、地下鉄御堂筋線が交差。もともとは大阪駅への乗り入れが難しかった新幹線への乗り換え駅として設置されたが、駅周辺の開発が進み、オフィスやホテルも集結して、大阪の立派なサブターミナルとなっている。

 そんな新幹線の新大阪駅に隣接する形で4年前にお目見えしたのが「新大阪阪急ビル」(地上17階建て)。2階・3階には、地下鉄と新幹線の両改札口をつなぐ形で通路が造られ、同フロアにはファーストフード店やカフェ、レストランなどがずらりと並ぶ。ビルの3~11階はオフィス。そして12階以上は阪急阪神第一ホテルズグループの宿泊主体型ホテル「レム新大阪」が入り、1階は阪急高速バスや伊丹空港へのバスが発着する高速バスターミナルだ。

新幹線の北側に立つ新大阪阪急ビル(左)。地下鉄のホームの上には阪急用に用意された高架の路盤が見える

 しかし、ここで疑問が浮上する。なぜ新大阪駅の“一等地”に「阪急」が陣取っているのかと。

 鉄道ファンや新大阪界隈の事情に詳しい人には有名な話で、今さらながらではあるが、実はこのビルのある場所は、「阪急新大阪駅」が出来るはずだったらしいのだ。

 阪急電鉄は東海道新幹線の開業が近づいた1960年代初頭、新幹線の新駅へのアクセスと、阪急京都線の混雑緩和などを目的に、新幹線にほぼ並行する形で、現在の京都線・千里線淡路駅から新大阪、そして宝塚線を経て、神戸線の神崎川駅との間を結ぶ「連絡線」を計画したと言う。用地買収も一部で進み、地下鉄新大阪駅を跨ぐことを想定して線路の路盤も先行して整備された。路盤は今も残り、「新大阪阪急ビル」がまさに新大阪駅ができていてもおかしくなかった場所であるのが見て取れる。新御堂筋から西へ目を向けると、新幹線の高架に沿って伸びる細長い土地には、土地の有効利用を狙ってか、フットサルコートなどが並び、壮大な計画の片鱗が今も顔をのぞかせる。

西へ細長く伸びる用地。新大阪~宝塚線の間は阪急電鉄が鉄道免許を保持している
駅施設を改良して移動がスムーズになったJR東海の新大阪駅

 東海道新幹線の輸送力増強を図るJR東海が、この阪急の土地を活用して新幹線ホームや引き上げ線を増設。その工事と歩調を合わせてオープンしたのが「新大阪阪急ビル」というわけだ。

 このビルの完成によって、地下鉄と新幹線の乗り換えルートが1つ増え、移動がスムーズになったのに加え、乗降客が増えた地下鉄の北改札前には、昨年夏、レストラン街「新なにわ大食堂」がオープンし、大阪市交通局が新たなにぎわい作りに“参戦”した。

 JR東海、JR西日本もそれぞれの“駅ナカ”を全面改装。在来線サイドに陣取るJR西日本が一昨年秋に開業した「エキマルシェ新大阪」は、チキンラーメンやカネテツデリカフーズなど関西になじみが深い企業のアンテナショップを誘致して、駅利用客の取り込みに力を入れている。

大阪市交通局が昨年夏にオープンさせた「新なにわ大食堂」
JR西日本は在来線側に「エキマルシェ新大阪」を開業した

 JR2社に、阪急、地下鉄が入り混じって進化する新大阪駅。2年後にはJRおおさか東線が乗り入れ、将来はJR大阪駅北側の「うめきた新駅」を経て、関西空港と結ぶ新線も計画されている。また、阪急も鉄道免許を現在も保持する区間を生かして、新大阪~十三~西梅田をつなぐ新線を構想する。

 さらに先に目を向けると、リニア中央新幹線、北陸新幹線も新大阪の地下に新駅の建設が見込まれる。進化し続ける新大阪駅。今後は地下にも各社の熱い視線が注がれていくことになりそうだ。(鈴)

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