私たちの体をよく知るために(1)~女性ホルモンの長期的な変化で起こる更年期障害

【大塚製薬プレスセミナー「女性の健康セミナー in 大阪」採録1】

 

 女性の健康週間(3月1日~8日)中の7日、大塚製薬が同社大阪本部でプレスセミナー「女性の健康セミナー in 大阪」を開いた。開催の目的は、トータルヘルスケアカンパニーである同社が、女性の健康の包括的な支援をめざす中で、女性たちに自分の体のことを知ってほしいというもの。当日は女性のライフスタイルの中に“ゆらぎ”を引き起こす女性ホルモンを取り上げて、専門家らが講演した。

(写真提供=大塚製薬)

 

 近畿大学東洋医学研究所所長・教授で東北大学医学部産婦人科客員教授の武田卓(たかし)さんが「女性ホルモンと女性の健康・診療の実際」と題して講演した内容を3回に分けて紹介しよう=写真

 

 

■エストロゲンの分泌が欠乏して起こる更年期障害

 女性ホルモンは、一生の中での長期的な変化と月経周期での短期的な変化に関与している。長期的な変化で女性ホルモンが減少して起こるのが、よく知られている更年期障害だ。更年期は「月経が乱れ始めてから、閉経を挟んでその後数年経って卵巣から女性ホルモン(エストロゲン)が全く分泌されなくなるまでの時期」と定義され、年齢的にはおよそ42歳から56歳ころとされる。この時期に、エストロゲン分泌欠乏によって「月経異常」、のぼせ、ドキドキなどの「自律神経失調症状」、不眠、イライラ、頭が重い、うつっぽい、物忘れなどの「精神神経症状」が起こるのが更年期障害だ。

 「月経異常」は、卵巣機能低下によって最初に起こる症状で、多くはまず月経周期が短縮し、その後間遠になっていく。更年期の始まりはがん年齢にも当たるので、月経異常があったら、子宮がん検診を受け、がんではないことを確認することが望ましい。

 「自律神経失調症状」は閉経女性の60~70%に見られ、通常2~5年持続する。その後、徐々に減っていき、閉経後10年以上経っても症状のある人は4%程度だ。

 「精神神経症状」は、心因性の更年期障害だ。子どもの就職や結婚、夫の定年、親の介護・死別など社会的な変化の多い時期である上、閉経という身体的な老化や自律神経失調症状に伴い健康に対する自信が失われることなども引き金となる。

■ホルモン補充療法は怖くない

 更年期のヘルスケアで大切なのは、心身機能を調和させること。規則正しい生活、バランスのとれた食事、適度の運動を基本に、サプリメントなどの代替医療や機能性食品を用いる。それでも改善しない重症者の場合は薬物療法を行う。

 女性ホルモンを補うホルモン補充療法は日本では抵抗感が強く普及していないが、世界標準の治療法である。治療に用いるエストロゲン製剤は経口薬、貼付剤、塗布薬がある。かつてホルモン補充療法による乳がんリスクが誇張されたことがあったが、最近は「ほとんどリスクは増えない」程度の表現に修正されている。2016年には7つの国際学会が「ホルモン補充療法による乳がんリスクは、生活習慣、肥満、アルコールと同等またはそれ以下である」という共同声明を出した。日本産婦人科学会のガイドラインでも、ホルモン補充療法を更年期障害に対する第一選択の治療とし、5年を目安に行うとしている。

 もう一つの薬物療法として漢方治療がある。漢方は心身一如(こころと体は一体のものである)の考え方を基本としており、更年期障害に使える薬は10種類以上あり、どちらかというと精神神経症状を和らげることが得意だ。

(取材者から)更年期は男性にもあるって言うけれど、体が少しずつ変わっていくポイントなのね。ホットフラッシュや大量の汗、突然の動悸などの不快な症状も「いつかは収まる」とやり過ごせる範囲なら経過観察でもいいけれど、日常生活に支障があったり、本当につらい人は産婦人科で診察を受けてホルモン補充療法を検討した方がよさそうね。

 




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カテゴリ: AFメディカル

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