【京都発の新連載】#1 フォーエバー現代美術館(祇園・京都) 草間彌生YAYOI KUSAMA My Soul Forever =京都市東山区祇園町

precieux京都

衹園歌舞練場が草間ワールドに

 1913年に建てられた衹園甲部歌舞練場は、「都をどり」の会場としても知られる登録有形文化財。台湾からの知人に「ぜひ、行きたい」と言われ、その中の「八坂倶楽部」(築104年)で開催中の「フォーエバー現代美術館(祇園・京都) 草間彌生YAYOI KUSAMA My Soul Forever」へ。好評につき昨年10月までの予定だった会期が、2月25日(日)まで延期されている。

 昨年から年明けにかけて、京都のあちこちで「この展覧会を見ることが、京都観光の大切な目的」という海外からの観光客に多々出会ったほどの注目度だ。

 

南瓜
さまざまな展覧会でおなじみの「南瓜」。歌舞練場に譲らずの迫力

 

 世界的に有名な前衛芸術家・草間彌生さんの作品が、数多く出品されることに加えて、畳敷きの空間に座って作品を鑑賞するという新しい「スタイル」の提案も話題になっている。和色の壁紙が表具された展示壁と、作品を低い位置に配置したことで可能になったのだ。京都の寺や歴史的な建築物での展覧会は、壁や柱を傷つけないように作品は床置きされるのが普通なので、とても斬新に感じられた。

 

©フォーエバー現代美術館(京都・祇園)
日本古来の色である浅葱色の壁に草間作品。歴史的な建築物と現代アートの見事な調和。この空間を生んだ数々の才能とセンスに感服。離れがたい

 

 幼少期に強迫性障害を患い、その恐怖から逃れるため幻覚を絵に描きとめるようになった草間彌生さんは「私の芸術が評価され、愛されることを願って、死にものぐるいで闘ってきました」と言った。特殊な世界である京都の花街に身を置いて、懸命に舞妓や芸妓として生きる女性たちの活動の場のエネルギーを得て、その作品がさらに輝く一瞬。

 この美術館は秋田の医療法人の理事長・穂積恒さんが運営している。所蔵している膨大なコレクションは、たとえば版画作品(「愛はとこしえ」を除く)だと全372点のうち352 点収蔵という凄さ。中国資本の台頭で高騰し続ける現代美術市場で、日本が誇る芸術家の作品の離散を止め、広く知って欲しいという願いに京都の街が応えたのだ。

「フォーエバー現代美術館(祇園・京都)」http://www.fmoca.jp/index.html

 


◆Writing / 澤 有紗
QOL文化総合研究所(京都市上京区)代表。
文化、医療・美容、旅や食などのライフスタイル、京都などをテーマに雑誌・企業媒体誌などの編集・執筆を行うほか、エッセイなどを寄稿。テレビ番組や出版のコーディネート、国内外の富裕層旅行客の京都、滋賀のアテンドも行う。2010年の上海万博日本館の京都ウィークにて「抗加齢と日本食」をテーマに食部門をプロデュースするなど、国内外での文化催事も手掛ける。
主催イベントとして、日本文化を考える「Feel ! 日本 -日本を感じよう -」と自分を見つめ直しQOLを高める「Feel! 自分‐ QOL Terakoya Movement – 」を定期開催。生まれ育った京都の文化や街並みの保存・継承、町おこしに注力している。
https://www.qol-777.com




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