【まなびタイムトリップ】Vol.22 箕面自由学園高等学校 校長 田中良樹先生

人生観を大きく変えた初めての挫折

 高校受験で第1志望の公立校に落ち、私立の男子校へ。生徒会長も務めた自分がまさか落ちるとは、と高校入学後も現実を受け入れることができず、「受験に失敗したのは自分のせいではない」と責任転嫁ばかりしていました。

 高1の時、そんな私を見かねた担任が「この学校の不満ばかり言うなら、学内で1位になってからにしろ」と言いました。今思うと、先生にうまくたきつけられたんですね。猛勉強して1位を取った時、ようやく自分を客観視でき、自分の学力不足に気づきました。いつも応援してくれる同級生の存在も大きく、結局、3年間その高校に通い続けることができました。

 初めての「挫折」はとても良い経験になりました。その時は失敗と思っても、自分の発想と努力、そして周りの環境によって大きなプラスに変えられます。私はこの経験をもとに生徒たちにエールを送りたいと思い、高校教師の仕事を選びました。失敗から何を学ぶのかを、うまく誘導していくのが私たちの使命だと感じています。

 

箕面自由学園高等学校 校長 田中良樹(たなか・よしき)先生

 

【学校データ】
生徒数:1,583人(2016年4月現在) 建学の精神:豊かな自然環境を基盤に、体験と実践をとおして、伸び伸びと個性を発揮できる、教養高い社会人を育成する

 

 

 

 


【まなびこぼれ話】

 今年の4月に箕面自由学園高等学校・校長に就任したばかりの田中良樹先生。今回は直前の3月末に学校に伺いましたが、中庭で写真撮影をしている時も生徒たちに「こんにちは!」「今日はクラブの練習?ケガには気を付けて」など気さくに声をかけている姿が印象的でした。

 高校受験に失敗し、希望していた学校とは違う私立の男子校に通うことになった先生ですが、本当に密度の濃い3年間を過ごしたそうです。いつもじっくりと話を聞いてくれた担任や、応援してくれたクラスメートたち。アメリカンフットボール、野球などチームプレーのクラブが盛んな高校で、「自分だけでなく、皆一緒に頑張ろう」とまわりのクラスメートを応援する生徒が多かったようです。「『お前には頑張ってほしい』と友人の支えがあったから、頑張ろうと思えました。彼らとは今でもよく会って飲んだりしていますよ」

 田中先生には、もう一つ人生観を大きく変えた出来事があります。それは1995年の阪神・淡路大震災です。すでに教師として働いていた先生も、震災で何人か高校の同級生を亡くしました。「また会おうと約束していたのに、実現できなかった人たちもいます」と田中先生。震災経験をきっかけに命の大切さを改めて考えるようになり、生徒たちに「“また”は無いかもしれない。今を大切に、今したいと思うことは今しなさい」と教えているそうです。「10代の学生たちにとって“終わりを意識して生きる”とは、少し難しいことかもしれません。しかし、終わりを意識するからこそ、今を全力で頑張ることができると思います」と先生は話してくださいました。




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カテゴリ: まなびタイムトリップ

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