【まなびタイムトリップ】Vol.1 灘中学校・高等学校 校長 和田孫博先生

読書好きがきっかけで 嫌いな英語が天職に

 物心ついた頃から本が好きでした。童話、伝記、小説、理科系の学習漫画など何でも読んでいましたね。親は「目を離すと本を読んでいる物静かな子どもだった」と言いますが、社交性はあったんじゃないかな。両親は鮮魚や干物を扱う塩干業を営んでいて忙しかったので、小学校低学年までは、お手伝いさんや近所の市場の人に育ててもらいました。本好きで好奇心旺盛な私を周りの大人が寛容な目で見守ってくれる、そんな環境だったと思います。

 小学4年生の頃、母親が「神戸に良い学校がある」と言い、灘中学を受験することになりました。問題が解けると楽しいし、勉強は嫌いではなかった。ところが中学入学後、文学少年だった私は数学が苦手になり、英語も単語を覚えるのが嫌いで、欠点に近い点をとるようになりました。

 中学3年生になっても、相変わらず英単語の暗記がつらかった。そんな時、知人が英語の推理小説をくれたのです。本は好きだったので、なんとか読んでみたいと思い、夏休みに辞書を引きながら挑戦。すると内容がおもしろかった。早速、次に読む英語の本を買いにいきました。この時私は、英語という道具を使って、日本人とは違う論理や価値観を読み取ることの楽しさを知ったんですね。

 最初は知らない単語も多くてしんどいですが、半年頑張れば力がつきます。全部やり直そうと思うより、今やっている教材の中で、知らない単語やわからないところをなくしていくのがいい。これは、のちに母校で英語教師となり、英語が苦手という生徒に出会った時、そっと伝えてきたおすすめの勉強法です。

 

 

灘中学校・高等学校 校長 和田孫博(わだ・まごひろ)先生

1952年大阪府生まれ。灘高等学校卒業後、京都大学文学部英文学科に進学。卒業後、母校に英語教師として着任。長年、野球部の顧問も務めた。2007年から現職。現在は中学1年生の道徳の授業を担当。  

 

 

 

 

 【学校データ】

創立1927年 生徒数:中学551人、高校661人(4月現在) 教育理念:「精力善用」「自他共栄」。昨年、2つのグラウンドの人工芝化や、図書館・柔剣道場を含む校舎の新・改築工事が完了

※2014年4月掲載




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カテゴリ: まなびタイムトリップ

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