【まなびタイムトリップ】Vol.7 履正社学園豊中中学校・履正社高等学校 校長 小森重喜先生

幼児期に身につけた 社会性が生きる力に

 4歳の頃に父を亡くし、相次いで祖父も他界。母と母の妹、祖母が働いて私と弟を育ててくれました。終戦後で貧しかったですが、母は京都高等女学校時代の恩師が保育園を開設したと聞き、私たちを通わせてくれました。

 大きな庭のある園長先生の家に近隣の村から子どもたちが集まり、絵本を読んだり外国のお話を聞いたり。ヤギの飼育や花壇の手入れなども教わりました。いろんな人と接する中で、対人関係を学んだのでしょう。小学校に入学後も違和感なくクラスに溶け込んでいけました。ここでの経験は、今思うと本当にありがたかったですね。幼児教育では難しいことを学ぶより、周りの人と交流を深め、一つひとつ世界を広げていく。それが一番大事だと、自分の経験から思います。

 父や祖父の書棚にはたくさん本があり、母たちが仕事から帰るまでよく読んでいました。中学・高校生の頃は世界地図帳や漢和辞典、国鉄の時刻表を愛読。時刻表を見て旅のルートを想像するだけでは飽き足らず、大学生の頃には東北や北海道などを旅しました。電車の待ち時間に出会った人たちと話したり、通りすがりのおばさんに宿を紹介してもらったり。初対面の人に臆することなく話し、楽しい時間を過ごせたのは、幼児期から培ってきた社会性のおかげだと思います。

 勉強はもちろんですが、小さな頃から知らない世界に飛び込み、人間やいろんな土地の風土を知ることも大切です。これからの時代にますます問われる社会人力は、そんな経験から培われていくのだと思います。

 

   

履正社学園豊中中学校・履正社高等学校 校長 小森重喜(こもり・しげき) 先生

1946年京都府生まれ。京都府立城南高等学校卒業後、大学へ進学。大学院で文学研究科を修了後、大阪府立高校で36年間社会科教師を務めた。2006年から現職。

 

 

 

 

 

【学校データ】

創立1922年 生徒数:中学317人、高校1,452人(9月現在) 校訓:履正不畏・勤労愛好・報本反始。2014年4月、第86回選抜高等学校野球大会で硬式野球部が準優勝を飾った

※2014年11月掲載




※上記の情報は掲載時点のものです。料金・電話番号などは変更になっている場合もあります。ご了承願います。
カテゴリ: まなびタイムトリップ

あなたにおすすめの記事