【まなびタイムトリップ】Vol.12 立命館小学校・中学校・高等学校 校長 成山治彦先生

人を知り、自分を知った 読書体験と人生の寄り道

 小学生の頃、新年度に国語の教科書をもらって帰ると、最初から全部音読していました。特に物語の会話文が好きで。登場人物ごとに話し方を変え、演じているつもりで読むんです。中学生になると「浪曲師になりたい」と思うように。ラジオで「浪曲師になるには血へどを吐くまで声をはりあげないといけない」と聞き、夕方堤防で、大きな声で浪花節を練習していました。両親が共働きで帰りが遅く、テレビもなかったので、家ではいつもラジオを聴きながら勉強。いわゆる「ながら族」でしたが、計画を立ててやっていました。予習に重点を置き、教科書以外に参考書を使って、どんどん問題を解いていましたね。

 高校時代には漢文の先生に大きな影響を受けました。杜甫や李白など中国の詩人の人生を魅力的に話す先生のおかげで文学に目覚め、国内外の作品を片っ端から読むように。特に小説は誰かの人生を追体験できるし、自分にはない発想に気付けるので好きでした。読書を通じて何通りもの人生を知ると、自分を客観化し、知ることもできます。進路や恋愛などあれこれと悩む若い時は特に、手当たり次第読んだらいいし、動機が不純でも構わないですよ。私もそうでしたから。

 読書に限らずどんなことも経験に無駄はないものです。私は32歳で公立高校の教師になる前の2年間、トラック運転手など様々な職に就きました。いろんな人の人生に触れ、発見があったし、寄り道したことでチャンネルをいくつも持てるようになった。全ての経験が今につながっていると思います。

 

   

立命館小学校・中学校・高等学校 校長 成山治彦(なりやま・はるひこ) 先生

1946年大阪府生まれ。大阪府立住吉高等学校、大阪大学文学部卒業後、大阪府の公立高校で国語教師に。大阪府教育委員会などを経て14年から立命館中学校・高等学校校長。15年4月から現職。

 

 

 

 

【学校データ】

創立1905年 生徒数:中学688人、高校1,028人(2015年4月現在) 理念:「自由と清新」「平和と民主主義」 14年9月、京都府長岡京市にキャンパスを移転。今年9月、創立110周年を迎える

※2015年4月掲載




※上記の情報は掲載時点のものです。料金・電話番号などは変更になっている場合もあります。ご了承願います。
カテゴリ: まなびタイムトリップ

あなたにおすすめの記事