【まなびタイムトリップ】Vol.19 神戸龍谷中学校・高等学校 校長 岡田万里先生

根底にあるアメリカでの学び 個人の力を 徹底的に伸ばしたい

 父の仕事の都合で引っ越しが多く、小学生時代はニューヨークで過ごしました。不安よりも、これから始まる外国生活にワクワクしていましたね。まだ日本人学校も無い時代でしたので、通ったのは地元の小学校。いつも「あなたはどう思う?」「あなたは何をしたい?」と周囲に問われるため、小学生でも常に自分に問いかけ、答えを出し、しっかりと自己主張する必要がありました。まだ英語が話せない時期は、ジェスチャーで必死に伝えていました。おかげで積極的な性格になりましたね。

 中学入学に合わせて日本に帰国。今まではありのままの自分を表現してきましたが、日本では謙遜することが当たり前の時代だったため、「協調性がない、自己主張が強い」と言われ、カルチャーショックを受けました。漢字や日本の授業カリキュラムに苦労した思い出もあります。

 大学卒業後、20年近く中学・高等学校で担任を受け持ちました。私は生徒たちの可能性を最大限に引き出すのが教師の役目だと考えています。アメリカでは一斉授業が少なく、個々の能力別に課題が出されます。一人一人の力を徹底的に伸ばすことが目的で、私自身も目標を明確に定めて頑張ることができました。私も教師になってから、一人ずつに着眼し、勉強だけでなく生徒の個性も褒めてあげながら、個人の成長を見守ってきました。わが国の文化・風土を基礎に、異文化体験などを通して、「四海同朋」の心を育てる国際教育に今後も力を注ぎたいと思っています。

 

   

神戸龍谷中学校・高等学校 校長 岡田万里(おかだ・まり) 先生

1949年京都府生まれ。上智大学外国語学部を卒業後、神戸市立中学校・高等学校英語教諭、神戸市立六甲アイランド高等学校校長などを経て、2010年に神戸龍谷中学校・高等学校副校長に就任。11年から現職。

 

 

 

 

【学校データ】

創立1921年 生徒数:中学240人、高校992人(2015年4月現在) 校訓:「『和顔愛語』 いつも笑顔を忘れず、人にやさしくあれ」


【まなびこぼれ話】

 小学生時代をアメリカで過ごした岡田先生。初めてニューヨークの摩天楼を見た時は、高いビルが自分に向かって落ちてくるような感覚になり、高熱にうなされたのがアメリカでの最初の思い出だそうです。その時のショックが大きかったのか、それ以降ちょっとのことでは動じなくなったとか。

 先生の両親はどちらかというと放任主義。自分たちの価値観を押し付けることなく、自由に育ててくれたおかげで、先生自身ものびのびとアメリカでの小学校生活を満喫しました。ダンスパーティーや誕生日パーティーなどイベントにもたくさん参加したそうですよ。

 大学卒業後は、英語教諭として37年間神戸市立の中学校・高等学校に勤務していました。当時担任クラスの学級スローガンとして掲げていた言葉が、「Do your best and abide by the event.」。「『ベストを尽くして、後は成り行きに甘んじなさい』、つまり『成り行きに甘んじれるほど、ベストを尽くしなさい』ということです。“ベスト”は人によって違うものですので、一人一人の目標を引き出してあげることが大切ですよね」

 今は校長として学校運営に携わっていますが、校長面談をした生徒には面談後も声をかけたり、担任と同じ目線で生徒たちと関わるようにしています。

※2015年12月掲載




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カテゴリ: まなびタイムトリップ

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