【まなびタイムトリップ】Vol.21 親和中学校・親和女子高等学校 校長 向田茂先生

ありのままの個性を認め、 生徒を褒めて伸ばしたい

 私が生まれた淡路島には、神話で有名な伊弉諾神宮があり、井戸の神様やかまどの神様など、たくさんの神様が身近な存在として生活の中にいました。私も子どもの頃から日本の歴史に関心を持ち、毎日、島のいろいろな所を探検していましたね。大学で民俗学を学んだのも、この頃の興味・関心が土台になっていたからでしょう。

 中学生の時、担任に勧められて生徒会長に立候補しました。演説内容を担任に相談すると、「君のお父さんに相談して」と言われたんです。その時私は「担任が勧めてくれたのは、私を認めたのではなく、父が教員だったからなのではないか」と思ってしまいました。これをきっかけに、将来は生徒をありのままに認められる教師になりたいと考えるようになりました。その理想は今も変わりません。

 本校には、日直の生徒がその日の出来事を家庭で記す「学級日誌」の伝統がありますが、私も前に赴任した高校で、学級日誌を生徒に書いてもらっていました。普段はなかなか本音を話さない高校生も、日誌には自分の思いを書いてくれ、ありのままの生徒の姿を知ることができ、今では私の宝物になっています。同窓会に持参すると、当時の教え子が喜んでくれます。

 社会に出て堂々と意見を言える、活躍できる女性の育成を目指し、生徒たちが自信を持てる環境を作るのが、私たち教師の役目です。生徒の個性を認め、褒めて伸ばしていきたいですね。

 

   

親和中学校・親和女子高等学校 校長 向田茂(むかいだ・しげる) 先生

1951年兵庫県生まれ。東京教育大学(現筑波大学)文学部史学科卒業後、東京の中学校教諭、兵庫県の高等学校社会科教諭として勤務。教育委員会、県立高等学校校長を経て、2012年4月から現職。

 

 

 

 

【学校データ】

創立1887年 生徒数:中学550人、高校731人(2015年5月現在) 校訓:誠実、堅忍不抜、忠恕(ちゅうじょ)温和


【まなびこぼれ話】

 向田先生が生まれ育った淡路島は野球が盛ん。小学生の男の子はほとんど少年野球チームに所属し、映画「瀬戸内少年野球団」の舞台にもなりました。もちろん、向田先生も野球少年として練習に励む日々を過ごしていました。その経験を買われ、高校教師時代には野球部の監督に就任することもあったそうですよ。

 兵庫県で最初に赴任した高校は、阪神甲子園球場のすぐ近く。夏の全国高校野球選手権大会の時期になると、出場校にグラウンドを貸してあげるのが毎年の恒例でした。強豪校の練習を間近に見ることができ、向田先生もその時期になるとワクワクしていたそうです。出場常連校の先生と親交を深め、どのような指導をしているかを勉強することも。

 現在、向田先生は毎朝正門に立ち、登校してくる生徒たちにあいさつをしています。「生徒たちは元気そうな日もあれば、何か考え事をしているような日もあるなど、日によって色々な表情をしている。そんな彼女たちの様子を見守っています。もう教壇に立つことはないので、これが今の私の授業なんです」と先生は笑顔で話してくださいました。

(写真提供:親和中学校・親和女子高等学校)
(提供:親和中学校・親和女子高等学校)

※2016年2月掲載




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