【まなびタイムトリップ】Vol.29 甲陽学院中学校・高等学校 校長 山下正昭先生

生徒に育てられた47年の教師生活

 子どもの頃から電気や機械の仕組みに興味があり、ある日、なぜコンセントに電化製品をつなぐと動くのかと疑問に思い、電気線をU字形にしてコンセントの穴に入れてみました。すると、ボンッと火花と煙が……。事情を知らず電気がつかないと騒ぐ親に、自分の仕業とは言い出せず1人で反省。疑問があるととにかくやってみて、失敗から学ぶ毎日でした。

 高校時代は数学や物理は得意でしたが、文系科目が苦手。しかし一番お世話になったのは国語の先生でした。古文や漢文の問題を解くコツとなる文章のルールを熱心に教えてくださり、おかげでそこそこの成績がとれるようになりました。苦手科目の先生が自分をかわいがってくれた思い出は、私が教師を志すきっかけになりました。

 新任の頃は〝教えてやる〟という姿勢でしたが、恩師の国語の先生を思い出し、数学が苦手な生徒にも理解できる授業、気付かせる授業を心がけるようにしました。この春退職します。常に生徒に育てられた47年間の教師生活だったと思います。

甲陽学院中学校・高等学校 校長
山下 正昭 先生

【学校データ】
創立1917年
生徒数:中学636人・高校614人(2017年2月現在)
教育方針:気品高く教養豊かな有為の人材の育成
今年5月に創立100周年を迎える

 

 

 


【まなびこぼれ話】

 子どもの頃から機械の仕組みなどに興味があった山下正昭先生。「私たちの子どもの頃は、もちろんインターネットなんて無かった時代でしたので、気になったらとにかくやってみる。調べたり解体したりするのが好きでしたね」と当時を振り返ります。せっかく買ってもらったおもちゃをすぐに分解し、元に戻せなかったこともあったそうです。「両親は私のすることにうるさくは言わなかったですね。まぁまさかコンセントに電線を入れて遊んでいたとは思いもしなかったでしょう。知っていたら怒られたかな」(危険ですので、まねしないように)

 数学教師として教壇に立った山下先生ですが、数学や理科が好きになったのは中学生の頃でした。好きになったきっかけはちょっと意外なものでした……。
 中学生の頃は、文系科目には興味が無く、体育もどちらかと言うと苦手。「走るといつもビリで笑いものになっていました。いつも勝つことができなくて悔しい思いをしていました」。ある日、自分の周りを見回してみると、数学が苦手なクラスメートが多いということに気がつきました。「数学だったら皆に勝てるのでは!?と気づき、それ以来数学を頑張るようになりました。どちらかと言うと不純な動機ですよね」と笑います。

 山下先生は47年間の教師生活を終え、この春に退職されます。今の生徒に向けてのメッセージをお願いすると、「最近は、子どもの将来を親が決めてしまうことがありますが、やはり自分の将来については自分で考えて決めた方がいい。親の言いなりになって育つより、少しくらい逆らう方が頼もしいものです。親子でケンカしろとは言いませんが、日々の会話の積み重ねで色々と考えていってほしいですね」とお話しくださいました。




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カテゴリ: まなびタイムトリップ

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