【舞台挨拶&記者会見詳報】連日、感動の輪を広げる映画「キセキの葉書」

 第七藝術劇場をはじめ、大阪府下では全4館で上映中の「キセキの葉書」(原作=脇谷みどり「希望のスイッチは、くすっ」鳳書院)が、見終わった観客の胸に温かい感動を広げている。11月12日には、立ち見が出るほど満員になった第七藝術劇場で舞台挨拶が行われた。

 最初にプロデューサーの新田博邦さんが「鈴木紗理奈さんが最優秀主演女優賞を受賞したマドリード国際映画祭で、実はジャッキー・ウー監督も最優秀監督賞を受賞しています」と紹介すると、会場から拍手が沸き起こった。

 

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舞台挨拶での記念撮影。(左から)脇谷みどりさん。鈴木紗理奈さん、八日市屋天満さん、ジャッキー・ウー監督、福冨慶士郎くん

ウー監督 この映画は、非常に心が温まる映画でなければならないなと思った。原作に惚れて、脇谷みどりさんに惚れて作る以上、自分の中に確固たる使命を持って作らなければならないと思った。

紗理奈 昨年9月に撮影している時、劇場で皆さんに舞台挨拶などできればいいなと思っていた。今日は夢がかなってうれしい。

新田 日本映画は制作されても公開されない作品もある。「キセキの葉書」は全国65館で公開中だ。来年2月から公開という所もあるし、今の勢いだと100館も夢ではない。

紗理奈 作品ができ上がった時もうれしいけれど、皆さんがご覧になった後で会えるのが、どう見ていただけたのかがわかってとてもうれしい。今回この映画を通してたくさんの出会いがあった。キャスティングしてくださった新田プロデューサー、遠のいていた芝居を細かくつけてくださって私が芝居しやすいよう常にそばにいて支えてくださった監督。そして監督はマドリードまで連れて行ってくださって、私にトロフィーまで持たせてくださった。もう一人は脇谷さんという生きるパワーあふれる人に出会えて、映画を通して脇谷さんの生きるパワーを少しいただけた。これからパワフルに生きていきたいなと思えるようなものの見方を教えていただいた。

新田 この会場に、特別ゲストとして望美役の八日市屋天満ちゃん、勇希役の福冨慶士郎くんが来てくれている。勇希が演じた誰もが感涙するシーンはどんな気持ちで演じたの?

子役の2人を見守る鈴木紗理奈さんは母親の表情

福冨 あそこは、この映画の伝えたいことを伝える大事なシーンだと監督に言われ……(涙)

ウー監督 あの時は内緒で、二人で男の話をしたんだよな。テーマは感謝だったよな。ありがとうという気持ちで演じたら、勇希も自然に涙が出てきたんだよな。

福冨(うなずく)

新田 望美はずっとお母さんにおんぶされていたけれど、お母さんの背中はどうだった?

八日市屋 温かくて気持ちよかった。

新田 お母さんは?

紗理奈 重かったです。

新田 撮影中は一度下ろしちゃうと中断するので、休憩中もそのままで、紗理奈は大変だったね。それ以上に大変だったのは、天満ちゃん。監督は過酷な条件を課した。ちょっとでも目が動くとカット。監督に随分、指導を受けた。

ウー監督 天満ちゃんとも随分長く話した。子役で、自尊心すら断って向きを変えずに演じるというのは大変なこと。今回、評価をしていただいたことに関して、まず紗理奈というキセキに知り合えたことと、天満という天才に会えたことをお話しさせていただきたい。

八日市屋 うれしいです。演技はきつかったけど、撮影現場は和やかだった。

舞台上の出演者らの温かい涙にも感激が広がった

脇谷 今日は私も熱演してくれた二人のわが子に会えて、「わぁ、大きくなったねえ」と思った。この二人がいなかったら、あの映画はできなかった。もちろん、紗理奈さんの熱演もあるが。自分のことなのに泣いてしまった。角度が違うと天満ちゃんはウチの娘にそっくり。知人も『かのこちゃん、映画に出たん?』って。片隅にあった本を見つけてくださった新田さん、それを映像にしてくださった皆さん、本当にありがとう。忍耐と情熱、あそこまで忍耐強くできないよというところまでやってくださった。私は外野であそこまでやるんや、と他人事のように見ていた。でき上がった作品を見て、自分のことなのに、紗理奈さんが演じている私に『がんばれ!』って言ってしまう私がいる。がんばる人のところには、応援団がいっぱいできる。今日見に来てくださったお客様、みんな応援団です。

新田 この映画ができて、脇谷さんに「かのこの生きる使命がやっとできました」という葉書をいただいた。

ウー監督 キセキは起きるもの。人はキセキを願っているし、キセキが起きた時には人は狂喜乱舞して喜ぶ。でも、キセキは起きるものではなくて、起こすもの。また、キセキを起こさなければならない使命を持った人がいるということを、この映画でしっかりと伝えたつもりだ。それを演じる紗理奈という、本当にキセキの出会いがあって、素晴らしい演技で海外にも行かせていただいた。原作のメッセージでもある「キセキは起きるものではなく、起こすもの」。これだけを皆さんにもしっかり伝え、僕もこれからの人生、テーマを持ってやっていきたいと思う。

紗理奈 去年の夏にこの話をいただき、演じれるのかと不安に思っていたが、脚本を読んで涙が止まらなくて、ぜひこの役をやりたいと思った。翻弄される気持ちでクランクインを迎えた。そして脇谷さんに、監督にお会いして、すごくステキな導きをいただいて、マドリードまで行ってトロフィーまでいただいて、今までの人生が報われたような気持ちになった(涙)。まっすぐ一生懸命、すごく不器用ですが、一生懸命前を見て走ってきてよかったと本当に思った。監督に感謝の気持ちでいっぱいだ。40歳になるが、これからやりたい新たな目標がたくさんできた。この感謝の気持ちを忘れずに、もっと脇を締めてひたむきに生きていきたいと思う。

脇谷 すごくしんどい時に、1週間後は生きていないかもしれないと思うぐらいしんどい時に、私は、「そうやな。1週間後は生きていないかもしれないけれど、今日一日は生きてがんばろう」と思った。そうして2日目になったら、その日が今日になる。それを繰り返して生きてきた日々のような気がする。つまらんことのように思うが、実はこれがものすごい財産になる。今日お越しの皆さんの中に、そこまで行き詰っている人はいらっしゃらないかもしれないが、今日一日を、今日一日を生きていただきたいと思う。ありがとうございました。

 

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舞台挨拶後の記者会見の質疑応答

 

Q 当初、最優秀監督賞受賞を発表しなかったのはなぜ?

ウー監督 マドリードへはノミネートがギリギリで、扱っていただけるかどうかという所で行った。スクリーニングで映画を見ていた時に『あれ、もしかして紗理奈、注目されているぞ』と感じて、最優秀女優賞を受賞した時、本当にうれしかった。撮影現場でいろいろなやりとりがあり、時にはぶつかることもあった。そんな中で作品ができたので(紗理奈の受賞も)僕にとっては一つの勲章だった。その後、僕も賞をもらったが、うれしさはそっちの方が勝っていた。

紗理奈 監督に取らせていただいた賞だ。数年前からヨーロッパでいろいろな賞を取られ、ヨーロッパ映画界では名が知れた方だったので、審査員にも見ていただくことができた。

 

Q 監督を引き受けた理由は?

ウー監督 まず「僕しか撮れない」と思った。お涙ちょうだいの映画だったら誰でも監督はいる。あと元気で前に進んでいくお母さんを撮れる監督もいる。ただ、優しさがあり、朗らかさがあり、時にはラジカルで攻撃的なところもある。最初にお会いした脇谷さんの、朗らかで優しくて活発であるど真ん中で、一つのものに執念を持ち、向かっている。その多面的なところの表現は僕ができるだろうと思ったのでそういう映画を撮らせていただいた。

Q 撮影した西宮の印象は?

紗理奈 すごくホッとできる街だった。東京に住んでいると、仕事が終わると息子の顔を見てリセットするけれど、帰らずに西宮に泊まり込みで撮影したので、撮影した2~3週間、「キセキの葉書」の美幸として西宮で生きさせてもらったという感覚だ。西宮に行った時には、地元というか。

ウー監督 甲子園に宿舎があったが、送りの車を断って、歩いたり、バスに乗ったりした。撮影が終わってからも、甲子園界隈に行ったり、ららぽーとに行ったりしている。自分の中で忘れられない街になった。甲子園の人混みをまた歩きたい。あの居酒屋でまた一人飲みしたい。撮影中に通った整骨院の会員カードは、まだ持っている。

記者会見には脇谷さんの娘かのこさんも参加。脇谷さんが「かのこは紗理奈さんが大好きなんですよ」と言うと「脇谷さんは出ている空気、オーラ、考え方、すべてがステキ。しゃべっていたら心がきれいになります」と紗理奈さん「紗理奈ちゃんは心がきれいなんですよ」

 

Q 紗理奈さんの新たな目標とは?

紗理奈 これまで何本も映画やドラマに出させていただいているので、恥ずかしい話だが、今回、芝居が本当に面白いな、奥が深いなということを監督から学んだ。初めての気づきがたくさんあった。女優は自分がしたいと思ってできる仕事ではなく、お話をいただいて初めてできる仕事で、この先どうなっていくかわからないが、女優業にもっと身を投じてやっていきたいと思った。

Q それは「めちゃイケ」が終わるからか?

紗理奈 違う。終わることを知ったのも2週間前だ。

ウー監督 撮影中から女優になりたいと言っていた。女優には脇役との空気の戦いなども必要だ。今回の撮影でそういうことも話した時に、すぐその日のうちに会得してできる。全く女優だなと思った。

紗理奈 「めちゃイケ」は私を育て、世に名前を出していただいた番組だ。今回監督に付けていただいた芝居を理解できたのは、「めちゃイケ」のコントなどで揉まれたおかげだと思っている。

Q 具体的チャレンジしたいことは?

紗理奈 3つある。コメディをやりたい。大阪の女優と言ったら鈴木紗理奈だと言っていただけるように、大阪女を追求したい。それと監督の次回作に呼んでください!

ウー監督 僕は海外をベースに映画を撮っている。紗理奈さんにも言っているが、ネイティブな英語がしゃべれないとしても、海外では関西弁だから邪魔になるということはない。一緒に何かやりたいと思っている。




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