舞台芸術に恋をして ミュージカル&オペラ人気の秘密【劇団四季ミュージカル「キャッツ」】【兵庫県立芸術文化センターオペラ「フィガロの結婚」】

 多くの観客を集めるエンターテインメントには、物語や音楽に加えて、舞台装置や演出にも心引かれるものがあります。ロングランや多くの公演回数を重ねるミュージカルとオペラを例に、舞台芸術の魅力を探りました。(鈴江元治)

 

劇団四季ミュージカル「キャッツ」

劇場を覆う2千の“ゴミ”オブジェ “ご当地もの”にもネコの世界観

 

キャッツ
24匹のネコたちの生き様を描く
「キャッツ」 撮影:荒井健

 

 大阪四季劇場で上演中の劇団四季ミュージカル「キャッツ」。都会のゴミ捨て場に集まる24匹のネコたちの生き様を描き、1983年の初演以来、国内9都市での公演総入場者は930万人を超える人気ぶりだ。

 個性豊かなネコたちが劇場を縦横無尽に駆け回るストーリーや音楽に加えて、観客の心を引きつけるのが、舞台から客席まで、所狭しと埋め尽くす“ゴミ”のオブジェ。ネコの目線に合わせて実物の約3倍の大きさで作られており、その数は2千個にも及ぶ。特に、上演地ゆかりの“ご当地ゴミ”が毎回話題となる中、今回も阪神タイガースのマグカップ、たこ焼き器など約25点が交じっている。

 

ご当地もの

 

 舞台監督の福永泰晴さんは「客席に足を踏み入れた途端、ネコになったような錯覚を覚える舞台装置は『キャッツ』の大事な演出の一つ。ネコの目線を味わってほしい」と話していた。

 大阪公演は来年5月に千秋楽を迎える。多彩な舞台演出とともに、ネコたちの勇姿を目に焼き付けるファンが増えそうだ。

〈劇団四季ミュージカル「キャッツ」〉大阪四季劇場(西梅田)。S席1万800円/A席8640円ほか。12月30日(土)公演分まで発売中。劇団四季予約センター、フリーダイヤル0120・489444(10〜18時)。

 


 

兵庫県立芸術文化センター オペラ「フィガロの結婚」

精緻な手仕事で18世紀の華やかさ 自由な発想を形にする心と技

 

セットの設営に立ち会うロバート・パージオラさん(左)と関谷潔司さん

 

 兵庫県立芸術文化センターが毎年夏に上演する佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ。2005年の開館以来、作品数は今回で13を数え、驚異的な観客動員を誇る。

 音楽、美術、演劇、舞踊の要素が絡み合う総合芸術のオペラ。趣向を凝らした舞台装置も魅力で、センターの舞台技術部長・関谷潔司さんは「舞台に関わる皆さんの自由な発想をできるだけ実現したくて、条件や環境を整えてきました」と振り返る。

14日に開幕する「フィガロの結婚」では、メトロポリタン歌劇場首席演出家、デヴィッド・ニースさん(演出)とロバート・パージオラさん(装置・衣裳)を迎え、構想から3年にわたって打ち合わせを重ねてきた。2人は3年前の佐渡オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」も担当。その際は関西の舞台装置製作陣の丁寧な技に感銘を受けていたと言い、今作はパージオラさんが精緻な筆致で描いたデザイン画を細やかに具現化し、モーツァルトが生きた18世紀を思わせる華やかなセットがお目見えする。

 

デザイン画
繊細に描かれた舞台装置のデザイン画

 

 「舞台は最終的にその日の観客の皆さまがつくるもの。『あー、良かった』と思って帰っていただくことが最高の喜びです」と関谷さんは話している。




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