ミュージカル「赤毛のアン」 大阪で千秋楽 “わが町”のスター候補が、ステージで躍動!

 「2万人の鼓動TOURSミュージカル『赤毛のアン』2017」が8月24日、大阪・オリックス劇場での公演で千秋楽を迎えた。http://www.asahi-family.com/entertainment/5589 でも伝えた通り、3月の近畿ブロックオーディションを経て、全国オーディションで選ばれた近畿地区在住の13人が出演。主演のアン・シャーリー役の美山加恋さん、ダイアナ・バリー役のさくらまやさんをはじめとするプロの役者と、赤毛のアンの世界を共に作り上げた。

主演の美山加恋さん(右)とさくらまやさん

 TOURSミュージカルは「多くの人にミュージカルの楽しさや素晴らしさを伝えていきたい」という思いのもと、1998年からエステー株式会社が主催。全公演、全席無料で観劇希望者を招待し、今年は176839件の応募があった。8月13日の札幌公演を皮切りに全国8都市を回り、千秋楽となった大阪公演も満席。夏休みということもあり、たくさんの親子連れが詰めかけた。上演前の会見で美山さんは「この夏一番の思い出になるよう、しっかり心に届けたい」。さくらさんは「“家族愛”を描いたミュージカル。見ていただき、家族ともっと仲良くしよう!と思ってくれればうれしい」とそれぞれ意気込みを語り、ステージに上がった。

美山加恋さん(中列右から2人目)、さくらまやさん(同3人目)と「グリーン・ゲイブルズ」の皆さん。後列中央はエステー株式会社鈴木喬会長

 

 舞台は、TOURSミュージカル「赤毛のアン」の代名詞的なナンバー「すばらしきプリンスエドワード島」の合唱から幕を開ける。近畿地区で選ばれた13人の出演者は、舞台を脇から盛り上げるアンサンブル「グリーン・ゲイブルズ」としてオープニングから登場し、オーディションの課題曲でもあった同ナンバーを、プロの役者と共に、堂々と高らかにホールに響かせた。幕間にはキャストから13人が紹介され、2134人の観客から一身に拍手を浴びた。

 

 「グリーン・ゲイブルズ」の1人、尼崎市の舛井美希さん(9)は「ステージから見た客席は想像していたより大きかった。最初は緊張したけど、踊っているうちにほぐれてきて、だんだん楽しくなってきた」と初の大舞台を振り返った。芦屋市の神谷侑里さん(10)は「楽しそうなお客さんの顔がステージから見えて、とてもうれしかった。大きな拍手で、たくさんパワーをもらえた」と、ステージに立つ人だけが感じられる喜びを話した。

「将来はミュージカル俳優になりたい」(舛井美希さん=左)「いつかミュージカルスクールを作るのが夢」(神谷侑里さん)

 全国オーディション通過後、全国各地の公演に出演するアンサンブルキャストを集め、2泊3日で行われた合宿で技を磨いた。「みんなすごく上手。寝る前も練習していた。私も追いつけるよう、大事なことを頭の中やノートで整理した」(舛井さん)。「朝から晩まで練習、というのがミュージカルの世界なんだな、と感じた。札幌公演のみんなと仲良くなれた」(神谷さん)。

 プロの役者と同じ舞台に立てるまたとないチャンスで、得たものも大きかった。「演技が少し苦手。間近で美山さんやさくらさんの演技を見られて、勉強になったことがたくさんあった」(舛井さん)。「プロの人の演技は、見ているだけで迫力があった。来年もオーディションを受けてみようと今から思うほど楽しかった」(神谷さん)。この日の舞台のために全力を注いで、駆け抜けた夏休み。2学期のはじまりを間近に控え、最後は「忘れられない最高の夏休みになった」と口をそろえた。

 ミュージカル公演を作り上げる行程で関わるスタッフ、キャスト、観客、オーディションへの参加者など、総勢2万人が「TOURS」の一員として舞台の楽しさを共有できたら、という願いが“2万人の鼓動”のネーミングには込められている。夢を持ち頑張っている子どもたちを応援するため、全国でのオーディション実施はすっかり定着し、今ではミュージカル俳優を目指す若者にとっては、登竜門的なオーディションになっているという。

 

 主催するエステー株式会社の鈴木喬会長(82)は「終戦後、私が初めて手にした本が『赤毛のアン』。バラックの中で食うや食わずの生活を送る中で、強烈な印象を残してくれた、とても思い入れのある作品。今年で『TOURS』は20年目を迎えた。今後も『赤毛のアン』をお届けしていきたい」とこれからの意気込みを話した。

 わが町の“次のスター候補”をはじめ、TOURSは今や様々な人の夢を乗せた存在のミュージカルとなった。21年目も実施されるだろうTOURSにも、今から注目したい。




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