淡路名物ハモ鍋のシメは素麺とお好み焼き
【ほたる】兵庫県洲本市

関西・オンナの美酒佳肴

 

淡路名物ハモ鍋のシメは素麺とお好み焼き

【ほたる】兵庫県洲本市 

 

 飲み会の席で、「夏の味といえばハモ鍋よね」という話題に驚いた九州出身の真由美さん。ハモといえば、「湯引きで梅肉」しか食べたことがないと言うのだ。それではとハモ鍋の会を企画してくれたのが淡路島出身の立石さん。おいしいハモがとれる南淡路・洲本のホテルに集合することになった。ホテルで食べるのかと思いきや、地元で水産会社を経営する武田さんが迎えに来てくれた。海沿いの旅館街を抜けて脇道に入り、住宅街の細い道をいくと一軒の店。のれんには「お好み焼き」の文字、ハモ鍋目当てにお好み焼き屋とは……。

 

新鮮な海の幸の造り盛り合せ
新鮮な海の幸の造り盛り合わせ

 

 夕暮れの時間帯、小さな店のカウンターでは既に地元の人がビールを飲んでいる。私たちがテーブルに着くとすぐに、お好み焼きを焼く鉄板の上に造り盛り合わせが置かれた。コロダイ、アジ、イカ、そしてハモの落とし。「漁師が直接もって来てくれる」という新鮮な造りが口の中でとろける。次に出された天然ワカメの天ぷらは岩塩か天つゆでいただく。磯の香りと肉厚のもっちりした食感。初めての味にビールがすすむ。

 

メインのハモ鍋の具材
メインのハモ鍋の具材

 

 播州の酒販店主、藤尾さんが持ち込んだ日本酒の奥丹波をひとしきり飲み、語り合ったら、いよいよメインのハモ鍋だ。ハモのあら、骨切りした身、子、肝、そして淡路産の玉ねぎをたっぷり入れる。昆布と鰹のダシに、ハモの骨からうまみがたっぷり出て、玉ねぎの甘さと混ざり合う。なんとも言えない夏の味に箸が止まらない。
 そして「そろそろいこか」と、これも淡路特産の素麺が登場。濃厚なダシを吸った素麺は、おなかがいっぱいでもするりと入るから不思議だ。

 

地元の人が集まる店
地元の人が集まる店

 

 宴席はまだまだ終わらない。仕上げに注文したのが、ほたる名物のお好み焼きなのだ。甘めのソースのやさしい味に大満足。地元のグルメ諸氏ならではの店選びはさすがだった。ハモ鍋を初めて食べた真由美さんも大満足! こうしてハモ鍋ツアーは、現地集合現地解散という忙しい飲み仲間の初夏の恒例行事となった。

 


◆ MENU
魚貝のコース(ハモ鍋)6,000円~ ※要予約
生ビール500円

◆ Data
ほたる
電話:0799-27-0717
住所:兵庫県洲本市由良町由良144-4
営業:11:30~14:00、17:00~23:00
休み:月曜(臨時休業あり)
※日曜は5名以上予約のみ


◆ Writing / 松田きこ
(株)ウエストプラン代表。兵庫県西宮市在住。食・観光・人物取材に日本中を飛び回る。ライター歴20年以上。編著書「神戸・阪神間 美味しい酒場」「くるり西宮・芦屋・東灘・灘」「くるり丹波・篠山」他
http://www.west-plan.com/