黒毛和牛尽くしで赤ワインに酔う
【黒毛和牛 炭火焼ステーキ 虎道】神戸市中央区

関西・オンナの美酒佳肴

 

黒毛和牛尽くしで赤ワインに酔う

【黒毛和牛 炭火焼ステーキ 虎道】神戸市中央区 

 

 年を重ねても元気な人は肉が好き、何歳まで肉を食べられるんだろう、そんな飲み屋での他愛ない肉談義をきっかけに友人が企画してくれた食事会。「美味しい肉ならここでしょう」と、出かけたのは神戸・元町の「虎道」。宮崎黒毛和牛の最高級A5、A4ランクのみ、契約牧場から余分な脂を取り除いた状態で届く。それを聞くだけで美味しそうだ。

 

ハンバーグ
ハンバーグは1人前180gのボリューム

 

 いろんな部位を食べたいとお願いして料理はお任せ。数人でシェアする形で始まった。スタートはローストビーフ、文句なく美味しい!次は淡路を中心に兵庫県産の野菜をたっぷり使ったサラダ。そして分厚いハンバーグが出てきた。自家製のドミグラスソースをたっぷり付けていただく。ミンチの粒から肉のうまみが詰まった肉汁が弾け出す。やわらかく、ほどよい歯応えがあって、肉が存在感をぐいぐいと主張してくる。聞けば、A4ランクを粗びきにして、つなぎはたったの5%。肉以外にはナツメグと塩のみという牛肉100%のぜいたくなハンバーグだ。

 メインのステーキはヒウチ、イチボ、サーロインを少しずつみんなでシェアする。どの部位も味付けは、塩こしょうのみ。好みで岩塩、わさび醤油、ステーキソースを。私は岩塩を少しふりかけただけで、肉のうまみを味わう。口の中でとろける脂が美味しい。肉の迫力に押されつつ、グラスワインはオーストラリアのカベルネソーヴィニヨン。濃厚な味、グラス一杯500円という値ごろ感がありがたい。

 

虎道
壁には菩須彦さんが描いた絵

 

 壁に描かれているのは、アーティストの菩須彦(ぼすひこ)氏の絵。少し前まで、菩須彦氏らしい迫力のある虎が描かれていたのだが、オーナーの大澤知基さんの「自分が生まれ育った神戸の街を描いてほしい」という希望を聞き入れて、あっさり壁に上書きしてくれたそう。ちょっともったいない気がするけれど……。店内で、アートと肉のコラボと銘打って、菩須彦氏のライブペイントを行うこともある。これは見応えがありそうだ。

 

オーナーの大澤知基さん
オーナーの大澤知基さん

 

 訪れた日は、偶然「虎道」の1周年記念日だった。「うっかり忘れていました」という大澤さんは、「周年は自分が祝ってもらうんじゃなくて、お客さんに還元するものです」とも話す。ホテルマンを経てバーを経営していたときにお客さんから聞いた、今も心に残る言葉だ。うーん、美味しい料理で充分還元してもらっていると思うけど……。13年間営業を続けたバーを閉めて、念願だった肉料理の店を開いた大澤さんにグラスを渡して、みんなで乾杯!「おめでとう!」

 


◆ MENU
ビール500円
グラスワイン500円
ステーキ2,000円~
ハンバーグ1,500円
浅漬け300円

◆ Data
黒毛和牛 炭火焼ステーキ 虎道(とらみち)
電話:078-392-5551
住所:兵庫県神戸市中央区三宮町3-6-5 小倉ビル 2F
営業:11:30~14:30(LO)、17:30~21:00(LO)
休み:水曜


◆ Writing / 松田きこ
(株)ウエストプラン代表。兵庫県西宮市在住。食・観光・人物取材に日本中を飛び回る。ライター歴20年以上。編著書「神戸・阪神間 美味しい酒場」「くるり西宮・芦屋・東灘・灘」「くるり丹波・篠山」他
http://www.west-plan.com/