瀬戸内エリアを観光で地域活性化
JR西日本が新プロジェクト 「鉄道+クルーズ」などで魅力発掘

 JR西日本は瀬戸内エリアの観光の魅力をさらに高め、地域の活性化につなげる「せとうちパレットプロジェクト」を始めると発表した。鉄道とクルーズを組み合わせた周遊ルートづくりや新規航路の開発をめざすほか、船の発着港に近い鉄道駅の整備に取り組む。また、山陽新幹線の利便性アップや、関西と瀬戸内エリアを結ぶ新たな長距離列車の運行も検討する。

広島県のとびしまエリアを巡るクルーズ船の運航も始まった=3月、呉市の安芸灘大橋付近で

 瀬戸内海に沿って東西に伸びる山陽新幹線は、同社の鉄道収入の約半分を占める。拠点駅の岡山駅や広島駅は山陰や四国との結節点ともなっており、今後も同社グループが持続的に成長をするには、岡山、広島を中心とする沿線地域の観光価値をさらに磨き、交流人口や定住人口を増やすことが不可欠と判断し、プロジェクトに乗り出すことにした。

ウサギが人気の大久野島=3月、竹原市で

 具体的な事例は今後詰めるものが多いが、プロジェクトを先取りする形で今年3月からは瀬戸内に点在する島々を巡る「せとうち島たびクルーズ」がスタート。歴史的な町並みが残る御手洗(みたらい、大崎下島)や、700羽以上のウサギが生息して話題の大久野島など、従来は一度で訪ねにくかった島々を効率的なルートで結んで好評だ。

 また今年夏からは、サンリオの人気キャラクターとコラボレーションした「ハローキティ新幹線」が山陽新幹線「こだま」に登場し、10月頃からは車内で山口県の観光PRを始めることが決まっている。関西から在来線で瀬戸内エリアへ走る長距離列車の検討を進めており、若者やシニアが気軽に利用できる「カジュアルなもの」になる見通しだ。

のどかな多島美の中に歴史と生活が息づく瀬戸内エリア=2014年、呉市・音戸の瀬戸で

 拠点駅の整備では、サイクリングが国内外で人気のしまなみ海道の玄関口となる尾道駅を来年春までに建て替える。観光案内所や展望デッキのほか、自転車愛好者向けのショップや宿泊施設も作り、今年秋には自転車で世界記録に挑戦するイベントを開くという。また、広島駅でも商業ゾーンを強化するほか、古い町並みが残る竹原市での町並み整備や、大崎上島の塩田跡を活用した生食用カキ「オイスターぼんぼん」をはじめ、地域振興につながる商品開発にも力を入れる。

 10日に記者会見したJR西日本の室博執行役員・営業本部長は「瀬戸内にはすばらしい観光資産があります。パレットで絵の具が混ざるように、鉄道会社と地域が連携し、エリアの新しい魅力を生み出し、発信していきたい」と話していた。

プロジェクトを発表するJR西日本、尾道観光協会、ギネスワールドレコーズジャパンの関係者たち=5月10日、JR西日本本社で



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