【笑いについて本気で考えてみた】噺ににじむ酸いも甘いも

笑い×人生

「仕事を退職して暇だったから軽い気持ちで参加してみたんです」。池田市在住の三輪九郎さん(89)は、「猪名川亭なべや」の高座名で活動するアマチュア落語家だ。同市の上方落語資料展示館「落語みゅーじあむ」がオープンした2007年に始まった、プロが教える落語家入門講座に1期生として応募したのが落語家人生の始まり。現在の受講生65人の中で最高齢だ。

現在の持ちネタは18席ほど。中でも古典落語「犬の目」がおはこだ。両目を患って病院に駆け込んできた男の目玉を、医師が治療のためにくり抜く。ふたりの珍妙なやりとり、大真面目に目玉をくり抜く医師を、時折むせながらも懸命に演じる人柄が、この噺となんだか合う。「自分の芸で人が笑ってくれるのは気持ちいい。一度味わったらやめられないね」と言い、月2回ほど寺や施設などで披露している。「長い噺は難しくて、稽古の時に途中を飛ばしてしまう。もちろん師匠には怒られます」と笑う。  

19歳の時に戦争へ。笑いが抑圧された厳しい時代を生きた。「でも、雨で訓練が中止になった時には、上官が150人ぐらいを集めて即席の寄席を開いたりしてました。今こうして自分も落語をやるようになって、昔のことを色々と思い出します」。今後も体が動く限り、話し続ける。(西本幸志)

三輪九郎さん 1925(大正14)年生まれ。落語と同時期に習い始めた弓道も継続中。落語の発表会の時には三輪さんの娘が見に来ることもあるという。写真は落語みゅーじあむで
三輪九郎さん
1925(大正14)年生まれ。落語と同時期に習い始めた弓道も継続中。落語の発表会の時には三輪さんの娘が見に来ることもあるという。写真は落語みゅーじあむで

※2015年7月掲載




※上記の情報は掲載時点のものです。料金・電話番号などは変更になっている場合もあります。ご了承願います。
カテゴリ: ライフ&アート タグ:

あなたにおすすめの記事