大阪・藤田美術館 秘宝を守った「蔵」を一般公開 建て替え前に“見納め”のチャンス

 明治時代に活躍した実業家・藤田傳三郎とその嗣子(しし)らが収集した東洋古美術を所蔵する大阪市都島区の藤田美術館が、2020年度のリニューアルを目標に建て替え工事を始めるのを前に、多くの美術品を長年守ってきた「蔵」の建物を4月14日(土)15日(日)の2日間限定で一般公開する。

立派な蔵と建物が並ぶ藤田美術館。この眺めも今回で見納めになる

 美術館は、藤田家の「かかる国の宝は一個人の私有物として秘蔵するにあらず」との願いから、社会文化の向上と発展を目的に1954(昭和29)年に開館。その貴重な所蔵品には世界にわずか3椀しかない国宝「曜変天目茶碗」をはじめ、国宝9件、重要文化財53件が含まれている。展示室は、明治から大正にかけて建てられた藤田家邸宅の蔵を改装して再利用。邸宅のほとんどを消失した1945(昭和20)年の大阪大空襲でも延焼を免れ、蔵は中に収められた美術品を守り抜いた。

 このほど、展示棟や事務所棟の老朽化対策のため、全面的な建て替えが決定。美術館としても60年以上にわたって親しまれた蔵を、工事が始まる前に、地域の人や愛好者らに“見納め”してもらおうと公開を決めた。

 一般公開では、1911(明治44)年に大阪で初めてコンクリート造りで建てられた収蔵庫や、展示室として使われた明治末期建築の蔵、大正時代に高野山から移築された多宝塔などを見ることができる。

美術品を守ってきた蔵と箱について思いを話す藤田清館長=4月13日の内覧会で

 藤田清館長は「日本では古来、美術品を収納する『箱』も芸術品のように丁寧に作り、大切に伝統を守ってきました。蔵もその一つ。美術館という『箱』が生まれ変わる機会を体感していただけると幸いです」と話している。

 11時から16時30分まで。美術館としては2017年6月に既に一時閉館しており、所蔵品は展示していない。

 http://fujita-museum.or.jp/

 




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カテゴリ: ライフ&アート

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