朝日ファミリースタイル8/24号特別編
書店店主のおすすめ書籍を紹介!

 今月発行した朝日ファミリースタイル8/24号「本と出会い 時間も満喫」では、「古書みつづみ書房」(伊丹)、「blackbird books」(豊中)の書店2店舗を取材しました。デジタルでは特別編として、店主の三皷(みつづみ)由希子さん(51)、吉川祥一郎さん(38)が薦める「夏の終わりに読みたい本」をテーマにした1冊とおすすめの本を2冊ずつ紹介します。

 

三皷由希子さん Presents

バッタを倒しにアフリカへ

バッタを倒しにアフリカへ 前野ウルド浩太郎
光文社 994円
 サバクトビバッタ研究のため、アフリカのモーリタニアへ旅立ったバッタ研究者が、現地での経験を記した冒険の記録。学術書で涙したのは初めてで、最近読んだ本では一番面白い。研究者の涙ぐましいエピソードの数々を、思わず感情移入しながら読んでしまった。著者の無邪気な性格も微笑ましい。
あるかしら書店

あるかしら書店 ヨシタケシンスケ
ポプラ社 1,296円
 脱力系のかわいらしい絵柄で人気の絵本作家。「本にまつわる本」の専門店を舞台に、「こんな本があったらいいな」という妄想を、クスッと笑える物語に。店のおじさんがお客さんのどんな要望にも「ありますよ!」とさらっと返すのも良い。私もこんな書店になりたいと思わせくれる1冊だ。
夏の葬列

「夏の終わりに読みたい本」
夏の葬列 山川方夫
集英社 497円
 交通事故で34歳という若さで亡くなった小説家の短編集。舞台は太平洋戦争末期の夏の日。敵機から少年をかばった少女が死んでしまう。少年は成長し、再びその思い出の地を訪れ、ある葬式に偶然遭遇する。タイトルの短編は10ページほどの分量しかないが、夏の田舎の風景がまざまざと浮かんでくるような表現力に脱帽。私が中学生の時の国語の教科書に載っていて、そのページだけを何度も読んだ記憶を思い出す。

 


 

吉川祥一郎さん Presents

猫はしっぽでしゃべる

猫はしっぽでしゃべる 田尻久子
ナナロク社 1,512円
 全国からファンがやってくる熊本の小さな書店「橙書店」。その店主・田尻久子さんの初エッセイ集。本やお客さんとの思い出、看板猫など店にまつわる日々の物語をつづる。猫のように柔らかく優しい文体で書かれており、読んでいてとても心地よい。
「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。

「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を。 小川たまか
タバブックス 1,728円
 性暴力被害、痴漢犯罪、年齢差別、ジェンダー格差、女性軽視CM、#metoo運動。多くの人がフタをしてきた問題に、ウェブを中心に活動してきたライターが正面から挑んだ初の著作。2016年~18年に起きた問題を取材し、情報を発信してきたブログを一冊にまとめた。これらの問題を考えるために、今こそ読まれるべき本だろう。
藤岡拓太郎作品集 夏がとまらない

「夏の終わりに読みたい本」
藤岡拓太郎作品集 夏がとまらない 藤岡拓太郎
ナナロク社 1,080円
 SNSで投稿を始めた1ページ漫画が話題となり、瞬く間に10万人超えのフォロワーを獲得した漫画家、初の単行本。当店でもこの夏に原画展を開催すると多くの人が駆けつけ、改めてその人気の高さに驚かされた。ギャグ漫画でありながら生の喜び、死の影を感じさせる深い描写やセリフにはっとさせられる。

 

本と出会い 時間も満喫
伊丹と豊中のこだわり書店を紹介




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カテゴリ: ライフ&アート

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