【母娘のカタチ】 手づくりコンサートで思い出の曲を親子で歌う

夫の介護を頑張っている母 音楽で自分の人生 再び楽しんで

 西宮市の山崎令子さん(66)と長女・小夜子さん(40)が「母と娘の思い出コンサート」を昨年から始めた。これまで3回開き、童謡や唱歌、クラシック、シャンソン、演歌などジャンルは問わず、心に残る曲を歌う。

 令子さんは音楽大学を卒業後、西宮でピアノ教室を開いていた。母の影響で5歳から音楽を始め、今はプロの声楽家として活躍する小夜子さんにとって、子どもの頃から休日にはピアノを囲んで歌うのが当たり前の家族の光景だった。しかし16年前、父が脳出血で倒れ、後遺症の半身まひと認知症で介護が必要な状況に。令子さんは音楽活動を減らし、自宅で介護を続けたが、ストレスもたまり、夫と怒鳴り合うことも度々あった。

 介護生活15年目を迎えた昨年、小夜子さんが母に「音楽の世界に戻ってみては?」と声をかけ、コンサートを企画した。「一つの節目を迎えたので、母にも自分の人生を楽しんで欲しかった。音楽で気分転換し、また元気に父と向き合って欲しいとの期待も込めています」

 5月に苦楽園で開いたコンサートでは2人が互いに歌とピアノ伴奏を務め、約50人が聴き入った。練習中はけんかばかりで「あんたの伴奏では歌われへん」と令子さんに言われることもある。しかしいざ本番になると、お互いの息づかいが手に取るようにわかり、ぴたりと息の合った演奏になる。「本番の時だけは、素直な気持ちでお互いを褒め合えるんです」と小夜子さんは笑う。

 来年4月には、観客も一緒に歌える食事付きコンサートを企画中だ。「皆で食事をしながら日頃の愚痴を言い合うコンサートも面白いでしょ。音楽の力で、聴きに来る人が笑顔になって欲しいですね」

 コンサートの詳細はhttp://kawaguchi4.wix.com/sayoko

※2015年11月掲載




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カテゴリ: ライフ&アート

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