【母娘のカタチ】 母と娘で作る ウェディングドレスのお店

お互いを信頼するからこそ 世界で一つのドレスが生まれる

 神戸の山手、異人館に近いビルでオーダーメイドウェディングドレスの店「クチュールママン」を開く森下真理子さん(57)とちはるさん(34)。娘のちはるさんが新婦のリクエストを細かに聞き、母の真理子さんがデザインから縫製まで1人で仕立てる。愛知、大阪・心斎橋にもサロンを構え、年間で約40着手がけている。

 30歳の頃からウェディングドレスを作り始めた真理子さん。そんな母の姿を見て育った、ちはるさんも服飾業界を志し、神戸芸術工科大学へ進学した。ファッションデザインを学び、アパレル会社に勤務したものの、30歳を前に「母を手伝いたい」と退職。ホテルで結婚式や披露宴の企画をしつつ、コーディネーターとして母の仕事に加わった。現在は母校の講師をしながら、顧客対応のほか、宣伝や展示会の企画なども担当する。

 ふんわりした雰囲気の真理子さんを引っ張る、しっかり者のちはるさん。「娘のおかげで、流行を肌で感じることができているし、刺激になる」と母が言うと、「一を言うだけで十を理解してくれる。やっぱり親子なんですね。仕事もスムーズでやりやすい」と娘は答える。キャリアを積み重ねてきた母の確かな技術と、若い感覚を持つ娘の発想があるからこそ、客の要望を上回るドレスを作ることができ、信頼も厚くなる。「お互いの仕事には絶対の信頼を置いているので、仕事は完全に分担制。何でも言える関係だから、口出しすると、きっとイラっとしてしまう」と2人は笑う。

 「クチュールママン」は、フランス語で〝母が娘に作ってあげるドレス〟という意味。「今では〝母娘で一緒に作る〟という意味も加わってきた」と真理子さん。心通い合う母娘コンビだからこそ、かけがえのない一着が作り出せるのかもしれない。

※2016年2月掲載




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カテゴリ: ライフ&アート

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