瀬戸内の観光を地元の人たちと盛り上げたい JR西日本の尾道水道クルーズが好評

 瀬戸内海の魅力をもっと身近にかんじてもらおうと、JR西日本は、瀬戸内エリアの観光開発に力を入れている。

 昨年7月から9月に「せとうちキャンペーン」と題した観光キャンペーンを開催したのに続き、昨年12月23日から今年1月16日には、普段は大阪市内で運航されている水上バスを尾道水道に移動し、ランチやディナーを楽しむ「尾道グルメクルーズ」を期間限定で実施した。尾道港から尾道水道を巡る食事付きのクルーズは初の試み。観光客や地元客を中心に好評で、瀬戸内海観光の新たな取り組みとして注目されている。

JR福山駅から電車で約20分の尾道駅

尾道駅前の町並み

 文化庁が2015年に創設した、日本遺産の第一号に登録された尾道市。数々の映画の舞台になるなど、言わずと知れた観光地だ。尾道の町を一望できる千光寺・千光寺公園、穏やかな尾道水道、そのほかおしゃれなカフェなどが点在し、女性客を中心にたくさんの観光客が足を運ぶ。

 これまで、尾道水道の海上から風景を楽しむには、春から秋にかけて土日祝に運航される尾道水道クルーズのみだったため、ゆっくりと食事をしながら、海上から尾道の魅力に浸ってもらおうと、今回のグルメクルーズを企画。大阪水上バスが協力し、同社が大阪で運航しているクルーズ船「ひまわり」を尾道水道まで回航したうえ、ランチ、ティー、ディナーの時間帯に1日3回運航することにした。

 食事も大阪と地元の企業がタッグを組んだ。大阪・北浜のミシュラン獲得レストラン「ルポンドシエル」の協力のもと、尾道市内で人気の「尾道レスポワール・ドゥ・カフェ」が現地のサービスを担当。瀬戸内海の海の幸や、広島名産のレモンを使ったデザートなど、メニューも地元の素材を使ったものを中心にして趣向を凝らした。

大阪で就航している観光クルーズ船「ひまわり」
青空と海のコントラストが美しい景色
コース料理の魚料理「瀬戸内海魚介のブイヤベース~帆立貝のムースと共に」
尾道大橋・新尾道大橋の下をくぐり抜ける

 約90分のランチクルーズでは、築70数年の倉庫をレストランやホテルが入る複合施設に改装した「ONOMICHI U2」 や、千光寺山、西國寺山、浄土寺山の尾道三山などが一望できる。尾道造船の工場沖では進水式後の船が間近に迫り、圧巻だった。生活道路となる尾道大橋と、瀬戸内しまなみ海道の玄関口となる新尾道大橋の兄弟橋も真下から眺められたのも、乗船しないと味わえない貴重な体験だ。訪れたこの日はJR尾道駅の駅員がガイドを務め、ていねいな名所解説で、ゆったりと旅情にひたることができた。

ガイドが丁寧に名所を解説する
穏やかな瀬戸内の海

 今回のクルーズはひとまず終了となったが、JR西日本では旅行会社と連携して、瀬戸内エリアの旅行商品を引き続き販売するほか、往復新幹線普通車指定席と観光施設10カ所の入場券、瀬戸内クルージング(尾道港~瀬戸田港、尾道港~鞆港)などと、福山・尾道エリアのJR自由周遊区間がセットになった「鞆の浦・尾道ぐるりんパス」を継続発売するなどして、瀬戸内エリアへの観光誘客に力を入れていく。瀬戸内クルージングの尾道港~鞆港は、期間限定運航。

 JR西日本鉄道本部営業本部(宣伝)課長の小菅謙一さんは、「京阪神はもちろん、東京、福岡からもアクセスがよい瀬戸内の観光の魅力をもっとアピールしていきたい。今回のクルーズは、瀬戸内を盛り上げる第一歩として手ごたえを感じた。これを起爆剤に今後も新たな観光ルートを発掘し、地元の方々と一緒に企画に取り組んでいきたい」と話している。




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