豊中で女性活躍社会の必須問題「マネジメント」を女性リーダーら5人が率直に語った

「生きている本」役の5人の話を熱心に聞く参加者たち=2月18日、すてっぷホールで

 2月18日土曜の午後、とよなか男女共同参画推進センター「すてっぷ」で、リビングライブラリー「女性リーダーが問う マネジメントって何だ??」というユニークな催しが行われた。主催は大阪教育大学の岡田耕治研究室と、人権研修リーダー育成などに関わる人たちを中心に約10年前から活動している「おとなの学び研究会」の2団体。

 政府の方針として「女性活躍」が打ち出され、2020年までに女性管理職比率を30%にするという目標も掲げられているなか関心も高く、約40人が参加した。

 

  リビングライブラリーとは「生きている本」を貸し出す図書館という意味。講師を「本」に見立ててフェイス・トゥ・フェイスで生の話を聞くという趣向だ。

 会場には5人の講師が5つのテーブルに配置されている。参加者は、興味のあるテーブルに着き、講師の話を聞き、質疑応答を行う。1回あたり30分。これを3回繰り返し、参加者1人につき3人の「生きている本」に出会うことができるというものだ。

 3回のセッションを終えた参加者は、講師も含めて4人ずつに分かれ、「ワールド・カフェ」形式で、その日の自分の学びを共有し合った。

  「生きている本」を務めたのは、元大阪市立夕陽丘中学校校長の竹島園枝さん、自治体職員で120人の部下を持つ真山知果さん(仮名)、高槻市会議員の岡井すみよさんの3人が女性で、企業の人権啓発室長を経て人権に取り組む企業の連絡会理事となった竹内良さん、出版社の記事審査室長だった西谷隆行さんも加わった。

 

リーダーシップは誰でも持っている

 

右から2人目が竹島園枝さん。校長を退職する時に生徒と先生からもらった手作りの「卒業証書」を私の宝物と紹介した

 竹島さんは9年前、教頭と校長が相次いで亡くなった中学校に3学期がスタートする1月に赴任。「教育は感動である」を信念に、暗いムードに包まれていた学校を一変させた。「先生が元気でないと、生徒は元気にならない」と、ふだん先生たちが困っていることを地域に発信。調理実習室の包丁研ぎから生徒の仕事体験の受け入れ先まで、多岐にわたる“お困りごと”を、地域を巻き込んで少しずつ解決していった。5年3カ月の任期の間に、地域と学校の距離がどんどん近くなり、生徒を見守る地域の人たちの目も温かく変わったという。

 竹島さんは言う。「リーダーシップは誰でも資質として持っている。発揮のしかたはそれぞれの人の持ち味があり、正解は一つではない」

 

女性はタイプ別に「ニャン力」と「ワン力」

 

 「しなやかに、したたかに」がモットーの真山さんは1982年に公務員となった。当時は女性管理職はほとんどいなかった。90年代初めからチラホラと女性課長となる人が出てき始めたが、その多くは男性に受け入れられやすい、どちらかと言えば依存的なキャラクターの持ち主だったと振り返る。女性としての自分を意識し、自分の非力を認めて周囲に仕事を頼んで成果を上げていくタイプで、調整能力に優れている。そんな女性たちには「ニャン力」があると、真山さんは言う。

 一方、真山さん自身は人に頼るのが苦手で、自分で仕事していく「ワン力」のあるタイプと分析。最近では、真山さんのようなタイプも管理職に就くようになったが、それでも現状の女性管理職比率は約10%に止まっており、政府目標には遠い。「ニャン力も、ワン力も、キャラクターの違い。同等に評価されることが大切なのだと思います」

 

コントロールを外し物事の進め方を若い世代に任せる

 

 市議会議員2期目の岡井さんは、子どもへの支援を充実させたいと議員になった。圧倒的多数が男性という場に赴くことも多く、「女で大丈夫か!?」という言外のメッセージを受け取ることもあるが、同年代や先輩の力を借りつつ「気にせず淡々と仕事をする」ことにしているという。

 子どもの貧困が問題になる中で、数年前から取り組んでいる学習支援に加え、最近注目を集めている「こども食堂」、さらに夕方から夜中まで子どもたちが安全に過ごせるシェルターづくりまで、活動の幅を広げようとしている。そんな中で若い協力者たちをまとめていくリーダーとして大切にしていることは、「自分自身でコントロールせず、物事の進め方を彼ら・彼女らに任せること」という。

 岡井さんは「若い人を育てる時は、導くのではなく、任せて相談に乗り、責任を取ることが大切」と話した。

 

人権は「あらゆる人が持つ権利」。どう広げるか、考えよう

 

 この日、東京から駆け付けた竹内さんと西谷さんは昨年11月に共著「人権をさがして~企業活動のなかで」(解放出版社)=写真=を上梓したばかり。

 セクハラ、パワハラ、マタハラだけでなく、企業の中で「人権」と言うと、何か困った人権“問題”があるかのようにとらえられ、当事者以外は「他人事で関係ない」となりがちだ。その図式を打ち破るために、人権を「あらゆる人が持つ権利」ととらえ直し、それをどう広げ、どう伸ばすかを考えていけば、プラス思考で考えていけると話した。

 

 この日のリビングライブラリーの様子は、男女協働参画の重要性を踏まえたマネジメントの普及を目的に60分程度のDVDに編集され、大阪教育大学、京都教育大学、奈良教育大学、東京学芸大学、北海道教育大学、愛知教育大学と大阪府および府内市町村の各教育委員会に提供される。




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