次回朝カル講座は9/16芦屋教室 平安文学研究の山本淳子さん最新作『枕草子のたくらみ~「春はあけぼの」に秘められた思い~』の魅力

四六判 並製 314ページ 定価1,620円 (承認書番号A17-0631)朝日新聞出版に無断で使用することを禁止する

 平安女流文学の代表格と言えば紫式部の「源氏物語」と清少納言の「枕草子」。千年以上も昔、京の都の宮廷を舞台に描かれた王朝ロマンと随想は、時を超えて読み継がれ、今も人々のロマンをかき立て、新しい研究の目が注がれている。

 作品が書かれた時代背景や実在した人物に着目して研究を深め、一般の人にもわかりやすく紹介する著作で知られる研究者の山本淳子さん(京都学園大学教授)が今春、最新刊『枕草子のたくらみ~「春はあけぼの」に秘められた思い~』を朝日選書から出版した。

 朝日選書からの出版は本作で3作目。前2作は「源氏物語」からのアプローチだったが、本作は「枕草子」と清少納言にスポットを当てた快作だ。

 

 「紫式部日記」に清少納言への酷評があることはよく知られている。筆者自身、小学生のころに読んだ紫式部の伝記で、彰子中宮に仕えた紫式部が、定子中宮に仕えた清少納言を「まぁなんて、とんでもない人」と評する場面があったことをよく覚えている。以来長らく、式部を「ちょっと意地悪な人」、清少納言を「お調子者」と思い込み続けてきた。そんな浅薄な理解を根底から覆してくれたのが、山本さんの朝日選書の前2作だった。

山本淳子さん

 

 史料を丹念に読み込み、史実に基づく考察を重ね、山本さんは平安時代を生きた宮廷人たちの心理を、現代の私たちにも通じる物語に昇華させてきた。それらの手法が高く評価され、『源氏物語の時代~一条天皇と后たちのものがたり~』(2007年)は第29回サントリー学芸賞を、『平安人の心で「源氏物語」を読む』(2015年)は第3回古代歴史文化賞優秀作品賞を受賞している。

 人気作家の林真理子さんは、かつて『六条御息所 源氏がたり』の執筆にあたって、山本さんとディスカッションを重ねて構想を練ったと著書のあとがきで明かしている。

  第29回サントリー学芸賞の選評はコチラ http://www.suntory.co.jp/sfnd/prize_ssah/detail/2007gb3.html

 第3回古代歴史文化賞の選定理由はコチラ http://kodaibunkasho.jp/3th_award/3-04.html

 

 『枕草子のたくらみ』でも山本さんは史料を駆使して考察を深める。冒頭は、あの「紫式部日記」の清少納言評だ。帝の寵愛をめぐってライバル関係にあった女性たちの後宮での勢力争いが下敷きにあって、お互いの勢力下にある女房たちの中が悪かったのね、と理解されがちな話が、実は全く違う意味合いであることを解き明かす。それはまるで、目からウロコの体験だ。

 平安朝文学やその歴史に関心のある人は、ぜひ読んでみてほしい一冊だ。(季)

 

 

【お知らせ】次回の山本さんの講座は、9月16日(土)13時~14時30分、朝日カルチャーセンター芦屋教室で開かれます。講座タイトルは「平安人(へいあんびと)の心で読む『源氏物語』の女君(おんなぎみ)~紫の上~」。光源氏に養育され、最愛の人となった紫の上の人生をテーマに語ります。 

詳しくは下記ホームページから。

https://www.asahiculture.jp/ashiya/course/cf9bb737-ec2a-a1cb-2b10-58fac83d5f02

 

 

【終了しました】山本さんの『枕草子のたくらみ』出版記念講座が、6月17日(土)13時~14時30分、朝日カルチャーセンターくずは教室で開かれます。

 

 




※上記の情報は掲載時点のものです。料金・電話番号などは変更になっている場合もあります。ご了承願います。
カテゴリ: ニュース

あなたにおすすめの記事