仁左衛門ら人気役者がにぎやかに船乗り込み 大阪松竹座「七月大歌舞伎」

 6月29日、大阪松竹座「七月大歌舞伎」開幕を前に、出演する俳優陣が恒例の船乗り込みを行った。途絶えていた船乗り込みを1979年5月、55年ぶりに復活させたのは、関西の歌舞伎公演を盛り立てようと78年に結成された「関西で歌舞伎を育てる会」(92年から「関西・歌舞伎を愛する会」に改称)だ。以後、絶えることなく続けられている水都・大阪ならではの夏の風物詩だ。

恒例の浴衣姿で声援に手を振る(前列左から)中村鴈次郎、片岡仁左衛門、中村時蔵 ©松竹
「七月大歌舞伎」の船乗り込みを一目見ようととんぼりウォークは人があふれた ©松竹

 

 ルートは八軒家浜から乗船して天満橋(大川)、天神橋、高麗橋(東横堀川)、農人橋、日本橋(道頓堀川)、太左衛門橋を経て戎橋へ。鉦(かね)や太鼓がにぎやかに打ち鳴らされて先導し、沿岸から、通り過ぎる橋の上から、盛んな声援が掛けられる。

 大阪松竹座に近いとんぼりリバーウォークに到着した一行は、船上から裃姿の片岡比奈三頭取が今回の芝居の外題と配役を口上で述べて、盛んな拍手を浴びた。大阪松竹座前での式典では、出演俳優一人ひとりが、集まった歌舞伎ファンを前に意気込みを語った。

 片岡仁左衛門は「全員、一生懸命舞台を勤めます。何度でも足をお運びくださいませ。よろしくお願いいたします」と来場を笑顔で呼び掛けた。

この後、集まった歌舞伎ファンに「撒き手ぬぐい」を行い、大いに盛り上がった ©松竹

 「愛する会」の名を冠した「七月大歌舞伎」は今年で26回目。今回は大阪松竹座新築開場二十周年記念を兼ね、7月3日(月)に初日を迎え、27日(木)の千穐楽まで楽しみな熱演が続く。

 

「染五郎の名では最後」の大阪の舞台で初役に挑む

 

 昼の部(11時開演)はまず、『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』。十代目松本幸四郎の襲名披露を来年に控えた市川染五郎が、染五郎の名で登場するのは最後となる大阪松竹座で、自身の憧れであった「団七」を初役で演じる。

 団七の女房お梶に片岡孝太郎、義兄弟・徳兵衛に尾上松也、お梶の主筋の息子・玉島磯之丞に中村萬太郎、その思い人・傾城琴浦に中村壱太郎、そして徳兵衛女房お辰に中村時蔵、老侠客・釣船三婦(つりふねのさぶ)に中村鴈治郎、三婦女房おつぎに坂東竹三郎、お梶の父で団七の舅(しゅうと)三河屋義平次に嵐橘三郎といった新鮮な顔合わせ。初役の染五郎の勢いに応える俳優陣がどんな芝居を見せてくれるのか、大いに楽しみだ。

 続いての『二人道成寺』は、時蔵と孝太郎によりあでやかな美姿で、華やかな舞踊を魅せる。

 

凄みたっぷり! この仁左衛門は見逃せない

 

 夜の部(16時開演)は、鴈治郎と壱太郎により祝祭劇の一つである舞踊『舌出三番叟』の後、四世鶴屋南北作の通し狂言『盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)』。見る者の背筋を凍らせてしまうようなまなざしをした片岡仁左衛門の特別ポスター=写真=をご覧になった方もいるだろうか。

©松竹

 その仁左衛門が3度目となる源五兵衛を、たっぷりの凄みを効かせて演じる姿が見ものだ。源五兵衛が入れあげる深川芸者小万に時蔵、小万と謀(はか)り、源五兵衛から百両をだまし取ろうとする夫の三五郎に染五郎(こちらも初役)。三人を軸に、一途ゆえに至った凄惨な殺しの場面は、歌舞伎ならではの様式美を伴う。このコワイ話は、夏にふさわしい演目だ。

 観劇料は1等席17,000円ほか。

 詳しくはチケットWeb松竹 http://www1.ticket-web-shochiku.com/pc/

 電話予約はチケットホン松竹 ナビダイヤル0570・000・489(10~18時)。




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