JR加古川線は、加古川駅から兵庫県の中央を流れる加古川に沿ってJR福知山線の谷川駅を結ぶローカル線です。全長約50キロの間に21駅。小さな1両編成列車にゆられ、古きよき日本の田園風景にタイムトリップできます。 (一ノ瀬真理子)
兵庫の歴史を語る鉄橋も

赤いカヌーを漕ぐ人影が見える
JR三ノ宮駅から加古川駅まで新快速で30分。加古川線のホームに移動すると、そこでぽつんと待つのは小さな1両編成電車。時刻表を見ると次の発車は40分後。すでに時間の流れが違い、タイムトリップしたような感覚です。
停車した電車の中でしばし静かな時間を過ごしていたら、「ジリリリリ」というベルの音を合図に、電車はガタンゴトン走り出します。車窓からゆったり流れる加古川を眺めていると、カヌーを楽しむ人を発見。厄神駅から市場駅の間で通過する「国包(くにかね)の鉄橋」は1913(大正2)年、当時の播州鉄道開通時に架けられた歴史ある鉄橋です。

震災時は迂回(うかい)路として活躍

この路線が大活躍したのは、95年1月の阪神・淡路大震災の時でした。大阪ー神戸間の鉄道網が寸断されたため、東西を移動する人々は加古川線に殺到。加古川から約1時間の谷川駅で福知山線に乗り換えて大阪へ向かいました。それまで一日平均260人だった谷川駅の乗り換え客は8500人にまで増加。JR西日本は列車の増発と増結で対応。他管内などから車両を動員し、さまざまなカラーの列車が行き交いました。加古川線はこの活躍で脚光を浴び、その後、電化されたのだそうです。
懐かしい駅舎に出あう

粟生(あお)駅は加古川線、北条鉄道、神戸電鉄の3線が乗り入れ、北条鉄道に乗り換えれば、北播磨に足を延ばせます。法華口駅、播磨下里駅、長(おさ)駅など大正時代に建てられた駅舎は「国登録有形文化財」に登録。週末には四季折々の自然と趣ある駅舎を撮影しようと多くの人が訪れます。