「美しく生きる喜び~1970年大阪万博から始まる美の哲学」 タカラベルモントが創業100年を記念し展示

理美容機器メーカーのタカラベルモント(大阪市中央区)は、1970年の大阪万博に出展した際の貴重な資料を、大阪市中央区の同社本社1階エントランスで12月17日(金)まで一般公開している。11月15日にあった記者発表では、当時のコンパニオン・ユニホームをデザインしたコシノジュンコ氏とタカラベルモントの吉川秀隆社長によるトークセッションも行われた。

記者発表に登場した吉川社長(左)と、コシノジュンコ氏。中央はコシノ氏が当時デザインした斬新なユニホーム。

タカラベルモントは、「美しい人生を、かなえよう」を企業の存在意義として掲げ、理美容機器や医療用機器、化粧品など美と健康に関わる幅広い商品を製造・販売する。大阪万博では「美しく生きる喜び」をコンセプトに単独パビリオン「タカラ・ビューティリオン」を出展した。パビリオンの設計には故・黒川紀章氏、コンパニオンのユニホームデザインにはコシノジュンコ氏ら、当時は新進気鋭だった若手クリエイターたちを起用。近未来感あふれる斬新なパビリオンは、大いに話題を呼び、この出展が同社にとって世界的に飛躍する契機にもなった。吉川社長は「創業100年にあたり、大阪の皆さまにお返しがしたい。明るい話題を届けたいという思いから展示を企画しました」と話す。

初公開される黒川紀章氏の貴重なコンセプトスケッチ(右)と矩計図・原図。

 

今回の展示では、同社が所蔵する「タカラ・ビューティリオン」の設計図や施工図のほか、(株)黒川紀章建築都市設計事務所が所蔵し、これまで非公開だった黒川氏直筆のコンセプトスケッチをはじめ、大阪府所蔵のコンパニオンが着用した当時のユニホームなど、貴重な資料も間近に見ることができる。

 

トークセッションでは、吉川氏とコシノ氏が大阪万博のエピソードを語り合った。コシノ氏はミニスカート全盛だった当時に、敢えてパンツスタイルを採用したことについて「他にはないものを作りたかった。パビリオンのユニホームは、ただの服ではない。ひとつのパフォーマンスとしてデザインした」と回顧。吉川氏は「当時は大学生で、パビリオンには何度か見学に行ったが、パンツルックは新鮮だった」と応えた。さらに、黒川氏の設計したパビリオンについても「2025年の万博に出しても遜色ないと思う」と称えた。

トークセッションで大阪万博の思い出を語り合う吉川社長(左)とコシノ氏。

また、吉川氏は、出展には資本金を上回る出資額が必要だったため「周囲からは、もってのほかと反対されたが、祖父(創業者・吉川秀信氏)は『世界にしっかりアピールすることが大切だ』と押し切ったようだ」と明かし、コシノ氏は「まさに、飛躍の契機になった。一企業が単独で出展するなんてすごいことだった」と振り返った。

2025年に開催される大阪・関西万博について、吉川氏は「出展の予定はないが、日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会への協賛をしており、地域に貢献するためにも、しっかり応援したい」と意欲を見せた。コシノ氏は「前の万博は、いろいろな人の人生に影響を与えた。見て終わりじゃなく、何か影響を与えるものになれば。コロナ禍を体験して〝いのち″の大切さをどう表現するか楽しみ。大阪は2回も万博を開催できるのはすごい!大阪がんばれ!」と、最後は大阪への熱いエールで締めくくった。

展示は入場無料。過去の万博のパワーを体感し、2025年の万博への期待を盛り上げてはいかが?

 

■「美しく生きる喜び~1970年大阪万博から始まる美の哲学」

■会場:タカラベルモント株式会社・大阪本社1階エントランス(大阪市中央区東心斎橋2-1-1)

■期間:12月17日(金)まで

■時間:平日10:00~17:00

■料金:入場無料

■アクセス:大阪メトロ長堀橋から徒歩3分

問い合わせは、06・6211・2831(平日10:00~17:00)まで。




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