【ストークス通信㉒】聖地・甲子園で誓うB1昇格 2019-20シーズン始動

集まったファンと共に

 男子プロバスケットボール・Bリーグ2部の西宮ストークスが8月25日、阪神甲子園球場(西宮市)で2019-20シーズンの新体制発表会を行った。スタンドに集まったおよそ400人のファンを前に今シーズンのスローガン「協創!」を力強く宣言。全選手とスタッフが、3季ぶりのB1昇格を誓った。

 

 渡瀬吾郎社長はスローガン「協創!」に込めた意味を、「社会の公器として永続し、クラブにかかわるすべての人を幸せにするという私たちの目的を達成するためには、クラブとして一番大切なファンの皆様と共に創り上げていくことが重要だと考えた」と話し、「“協創”を共通言語にファンの皆様とさらに距離を縮め、素晴らしいシーズンにしたい」と力を込めた。新しくヘッドコーチに就任したマティアス・フィッシャー氏は「試合会場でたくさんの人に応援してほしい」と集まったファンに呼びかけた。

ファンをハイタッチで見送るフィッシャーHC(中央)ほか

 今シーズンは新たに​劉瑾選手(元大阪)、俊野佳彦選手(熊本)、岸田篤生選手(京都)の3選手が加入。長くチームを支えてきた谷直樹選手、道原紀晃選手、ドゥレイロン・バーンズ選手ら主力も残留し、昨シーズンから培ってきた攻守のバランスを重視するヨーロッパバスケにさらに磨きをかけ、その先のB1昇格を見すえる。

キャプテン・谷直樹選手から

 昨シーズンに続きキャプテンを務める谷直樹選手は「自分らしくチームを引っ張り、B2優勝、B1昇格を成し遂げられるよう、自覚と責任をもって頑張る」と意気込みを話した。

 ストークスの今季開幕戦は、9月21日(土)に西宮市立中央体育館でバンビシャス奈良を迎える。フィッシャーHCのもとヨーロッパバスケの完成を目指し、市民の悲願でもあるB1復帰に向けたシーズンがいよいよ始まる。(伊藤真弘)

 

 

■バスケ×甲子園球場 異色のコラボで

 ここ数年、新体制発表会は西宮ガーデンズで行われてきたが、西宮に本拠地を構えるプロチームらしく、今年は市のシンボル・甲子園が舞台となった。開場前から列をなすファンの表情も一様に高揚しているように見えた。内野席が開放され、バックネット裏を中心に「特等席」をファンが次々と埋めていった。

開始前、一塁側のベンチで待機する選手とマスコット「ストーキー」

 甲子園ならではの演出も新鮮だった。スコアボードには西宮ストークスの選手名が表示され、掲揚台にはストークスのチームフラッグがはためく。プロ野球のウグイス嬢調に選手を紹介する一幕もあり、例年とはひとあじ違う盛り上がりを見せた。

 神戸市から訪れた50歳代の男性ファンは「ふだん座れないような席から(バックスクリーン方向を見渡せる)『甲子園の一番良いアングル』を堪能しつつ、新体制発表を見ることができてうれしい」と話し、「また来たいとファンが思うような、盛り上がる試合を見せてほしい」とチームにエールを贈った。

土屋アリスター時生選手

 「甲子園の土を踏んだのは中学生以来です」と話してくれたのは、地元・西宮市出身の土屋アリスター時生選手。西宮市内の中学校では甲子園球場で体育大会を行うことが恒例となっており、中学生時代の土屋選手はここで「組み体操」を行ったとか。プロバスケ選手として改めて足を踏み入れた甲子園の感触に「感慨深いですね」と話した。

 さらなる飛躍が期待される若手のホープでもある。「ベースとなるヨーロッパバスケは昨シーズンから共有しているし、HCが変わっても考え方やスタイルは同じ部分が多い。メンバーも長く一緒にプレーしている選手が多いし、そこに新加入の選手がどうからんでいくかを見てほしい」と今シーズンの感触を話し、「昨年は出場タイムが伸びなかった。センターだけでなく、パワーフォワードの役割も果たせるようプレーの幅を広げ、活躍できる時間を増やしたい」と意気込んだ。

「ストークス仕様」となった甲子園球場のスコアボード



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