【ストークス通信⑯】意地とプライドを見せつけた最終戦 B1絶対残留へ流れつかむ

 2017―18シーズンのB1リーグを戦う西宮ストークスは、5月2日に行われた第31節で、京都ハンナリーズに92-69で勝利を収めた。シーズンホーム最終戦となる西宮市立中央体育館に集まったファンは、今季初挑戦となったB1で奮闘を続けるチームに熱い声援を送った。

 

 第30節時点でチームは10勝47敗。すでにB1の18チームのうち15位から18位がB1残留をかけて臨む「残留プレーオフ」への出場が決定しており、苦しい戦いが続いている。しかし、チームにとってはホームアリーナでファンに見せるシーズン最後の雄姿とだけあって、入場後のウオーミングアップからプレーヤーたちの表情は引き締まり、ゲームに臨む高いテンションと、この一戦にかける思いが伝わってくる。

 

 ゲーム前には、先ごろ西宮市長に就任した石井登志郎市長から「西宮ストークスにとっては厳しい1年だったが、なんとか残留プレーオフを勝ち残り、B1に残らなければいけない。そのためにはすばらしい試合で今日、京都に勝ちましょう!」と力強い激励。ファンすべての思いを代弁するかのような市長からのエールに会場は盛り上がり、試合前からボルテージは最高潮に達する。

ストークスカラーの緑に身を包んだ石井西宮市長

 対する京都はすでに上位クラブで争われるチャンピオンシップへの出場を決めている同地区屈指の強豪。今シーズンの対戦成績も1勝4敗と分が悪い相手ではあるが、B1残留へのステップとなる勝利をつかみたいところだ。

 

 ティップオフ後4点を先制され、第1クォーターからじりじりとリードを許すも、ストークスは慌てない。高いテンションのままゲームに入った選手たちの集中力は、徐々にプレーに表れ始める。その中でもキラリと光ったのは、谷口淳選手の電光石火のスティール。攻撃中の相手ボールを奪取しそのままゴールにつなげ、明らかに流れはストークスへ。その後もドゥレイロン・バーンズ選手のジャンプショットで逆転し、第1クォーターを終えた。

 第2クォーター以降も、キャメロン・リドリー選手、岡田優選手の立て続けのスティールなどで、一度つかんだゲームの流れを京都に渡さない。メンバーチェンジで代わる代わるコートに立つ選手たちもその波に乗り、放つシュートは次々とゴールに吸い込まれていく。バーンズ選手の28得点を筆頭に、坂井レオ選手、土屋アリスター時生選手といった、これからのチームを背負う若手もはつらつと躍動し、終わってみれば全員得点の92-69。圧巻のスコアでホーム最終戦を白星で飾った。

 

 これまでの鬱憤が晴れるようなゴールラッシュ。ゴールデンウィーク谷間の平日開催にもかかわらず集まった2893人の大観衆を前に、ストークスの選手たちは“B1絶対残留”の強い気持ちを、この上なく明快な結果で示した。「最高のゲーム。選手みんなの気持ちを感じました」(西宮市・男性)「ストークスにはB2に落ちてほしくない。来年もB1で、この盛り上がりを味わいたい」(神戸市・女性)。アリーナを埋め尽くした満員の観客に、伝わるものも多かっただろう。

 

 ゲーム後には、ホーム最終戦のセレモニーが行われた。全選手がファンに感謝の言葉を述べるなかで、最後にマイクを持ったキャプテンの谷直樹選手は「1年間、苦しいチーム状況で、つい下を向いてしまいそうなところを、前を向いて行けたのは、みなさんの力強い応援があったから。これから僕たちは、1部残留という目標に向かって戦っていく。(だから最後まで)皆さんの力を貸してほしいです」と、最後の最後までファンと共に戦う決意を示した。

セレモニーの最後には、B1残留を誓い会場が一体に
B1残留の願いを込めて、横断幕にメッセージを書き入れるファン

 ストークスの選手たちは、ホーム最終戦にふさわしい雄姿と会心のゲームで、ファンに胸のすくような思いをもたらしてくれた。存分に見せつけてくれた彼らの意地に、ファンが熱いサポートで応えられる今シーズン最後の機会は、5月11日(金)からの残留プレーオフ(vs横浜ビー・コルセアーズ)を残すのみだ。(伊藤真弘)

 

B1残留プレーオフ1回戦 2017-18 ※2勝先勝方式

「横浜ビー・コルセアーズ vs. 西宮ストークス」

<試合日程>

◆GAME1 5月11日(金)19:05TIPOFF

◆GAME2 5月12日(土)15:05TIPOFF

<試合会場>横浜文化体育館

https://www.storks.jp/news/43914.html




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