私立受験に向けた情報収集を親子で 模擬授業も体験【兵庫県私立中高セミナー 開催レポート】

 11月2日、「親子で参加!兵庫県 私立中学校・高等学校進学セミナー&相談会&授業体験」(アサヒ・ファミリー・ニュース社主催)が兵庫県私学会館で行われた。兵庫県内16の私立中学・高校による相談ブース出展のほか、ブース参加校の教師による模擬授業も行われた会場には、私立校受験を視野に入れる親子が訪れ、志望校選びに向けた情報収集を行った。

 「朝日ファミリー」は創刊以来教育を重点テーマに掲げ、その一環として毎年開いてきた保護者対象の進学セミナーは、今年9月で30回目を迎えた。これを記念した今回のイベントには、親子で参加できる教育講演会、学校ごとの教育の特色がわかる模擬授業と、初となる企画が盛り込まれた。

 

 兵庫県はじめ関西の教育事情に詳しい株式会社ユーデックの萩原淳平さんを講師に迎えた教育講演会では、中学と高校それぞれの受験に対する勉強法や心がまえなどの話題が2部構成で展開された。

 中学受験を対象とした回では、自然と子をやる気にさせる親からの具体的な声かけの方法や、家庭での体調や時間などを管理する「マネジャー的」役割に親が徹することの重要性などが話された。高校受験対象の講演回では、兵庫県公立高校入試5教科の過去数年間の出題傾向を詳細に分析した上で、令和2年度の出題範囲が予想されるなど密度の濃い時間となり、講演スライドを熱心に写真に収める参加者が多く見られた。萩原さんは「子どもを最長6年間預ける学校選びに何よりも大切なのは情報収集。たくさんの学校が一堂に会する今日のような機会を積極的に活用してください。先入観を持たずたくさんのブースを回り、最良の選択をするためのより多くの情報を得てほしい」とメッセージを送った。

 

■3校による個性豊かな模擬授業も

 神戸山手女子中学校、報徳学園中学校、仁川学院中学校による模擬授業は、各校の教育アプローチの特色や強みが色濃く反映された時間となった。

 2021年度から必修科目となる「プログラミング」を行ったのは神戸山手女子中学校。参加した親子は、車輪の回転数やモーターのパワー、進む方向を付属のタブレットに入力することで動く車両ロボットを操り、決められたコースと動作をいかにクリアできるかに挑戦した。思い通りの動きをしてくれないロボットに親子は悪戦苦闘。「トライ&エラー」を繰り返して改善を重ねるプログラミングの本質を体感できる内容となった。

 報徳学園中学校の「国語」は、新たな学習指導要領に即した授業が行われた。文章を読み、解答に当てはまる箇所を抜き出して記述するといった従来のスタイルとは異なり、文章を読んだ上で求められる解答を自分なりに解釈し、要約し、言い換えるなどの「読解力」「語彙力」が要求される問題にチャレンジした。教師と参加者が終始英語でコミュニケーションを行った仁川学院中学校の「英会話」の模擬授業では、自己紹介の方法をはじめ、教科書の文法にとらわれない極めて実践的な英会話が繰り広げられた。

 プログラミングの授業に参加した小学3年の女子児童(西宮市)は「難しかったけど、考えて調整をすることで思い通りに動いてくれた時はとてもうれしかった」と話した。英会話の授業に参加した中学3年の女子生徒(西宮市)は「授業ですでに習った内容だったが、学校ごとに教え方の違いがあることがよくわかった。初めて知ったこともたくさんあった」と振り返った。女子生徒の母親は「親子で参加できる模擬授業はとても新鮮で、すてきな時間だった」と話した。




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カテゴリ: 教育