錦織良成監督・秋山真太郎(劇団EXILE)インタビュー 「どの世代でも感情移入できる作品に」 家族の絆と再生描いた映画「僕に、会いたかった」

 EXILEのTAKAHIROが初の単独主演を務め、家族の絆と再生を描いた映画「僕に、会いたかった」が、全国の劇場で公開中だ。錦織良成監督(57)、先生役で出演し、共同脚本も担当した劇団EXILE・秋山真太郎(36)が作品の魅力を語った。

映画をPRする錦織良成監督(左)、劇団EXILEの秋山真太郎

 舞台は島根県の隠岐諸島。凄腕の漁師・池田徹(TAKAHIRO)は12年前、漁の最中に嵐に遭い、全ての記憶を失ってしまう。事故後、漁に出ず、失った記憶に怯えながら日々を過ごす徹。そんな息子の姿に苦しい思いを抱えた母・信子(松坂慶子)は、ある日、徹の記憶をよみがえらせるために、ある計画を実行する。

 主演のTAKAHIROについて錦織監督は「EXILEでの彼のイメージとは違い、徹は感情を表に出さず物静かなので、とても難しい役と感じたはず。でも、彼は高い演技力と対応力で見事に演じ切ってくれた」と評価する。

©2019「僕に、会いたかった」製作委員会

 劇中、都会で暮らす3人の高校生が、島にある県立隠岐島前高校に「島留学」する様子が描かれる。この制度は実際に島根で取り組まれており、豊かな自然や伝統文化などとの出あいを通じて、生徒たちの社会で生き抜く力を育んでいく。錦織監督は「私自身も島根の出身ですので、この制度をいつか題材にしたいと考えていた。島留学で訪れた高校生と、記憶を失った男が出会うことで互いに影響しあう関係を描きたかった」と話す。

 脚本作りでは1年以上をかけて何度も書き直し、最終稿が完成したのはクランクインの直前。特にこだわったのが、島留学の高校生・福間雄一(板垣瑞生)が東京からやってきた母に自分の思いを吐露する場面だという。「長すぎず、でもどこか心に響くものがあるせりふにしたくて、監督とじっくりと話し合いましたね。そのおかげで満足のいくものが出来た」と秋山。錦織監督は、「主人公以外の人間も丁寧に描くことで、島で暮らす人たちの生活や背景が見えてくる。全ての登場人物がしっかりと生きている姿を表現したかった」と思いを明かす。

©2019「僕に、会いたかった」製作委員会

 長崎や福岡、名古屋での先行上映会では、涙する若者を2人は目にした。「映画関係者の年配の方だけでなく、若い方からも良い反応をいただけたのはうれしい」と錦織監督。秋山は「今回の物語には本当に様々な人物が登場するので、子ども・若者・親のどの世代にも感情移入しながら楽しんでもらいたい」と期待していた。

 「僕に、会いたかった」はTOHOシネマズ梅田ほか全国で公開中。




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