ミュージカル「赤毛のアン」 わが町のスター候補が今年も躍動

 「2万人の鼓動TOURSミュージカル『赤毛のアン』」の大阪公演が827日、大阪・オリックス劇場で行われた。当日は、3月に行われた近畿ブロックオーディションで選出された9歳から17 歳までの13人が、 主人公アン・シャーリー役の田中れいなさんらプロの役者たちと共演。会場を埋めた観客が、出演者たちの迫力ある演技に魅了された。

 TOURSミュージカルは「一人でも多くの人にミュージカルの楽しさや素晴らしさを伝えていきたい」という思いのもと、1998年からエステー株式会社が主催。全公演、全席無料で観劇希望者を招待し、今年は166065件の応募があった。8月17日の札幌公演を皮切りに全国8都市を巡回。ミュージカル公演を作り上げる行程で関わるスタッフ、キャスト、観客、オーディションへの参加者など、総勢2万人が「TOURS」の一員として舞台の楽しさを共有できたらという願いが“2万人の鼓動”のネーミングに込められている。

アン・シャーリー役の田中れいなさん、ダイアナ・バリー役のさくらまやさんを囲んでの記念撮影

 夢を持ち頑張っている子どもたちを応援するため、全国でのオーディション実施はすっかり定着。“地域密着型”のオーディションとして、今ではミュージカル俳優を目指す全国各地の若者にとっては、登竜門的な存在になっているという。

 近畿地区で選ばれた13人の出演者は、舞台を脇から盛り上げるアンサンブル「グリーン・ゲイブルズ」としてオープニングから登場。プロの役者と共に、高らかにホール歌声を響かせ、ダンスで躍動。オリックス劇場を訪れた2013人の観客から一身に拍手を浴びた。

 「グリーン・ゲイブルズ」の1人、大阪府吹田市の古松華さん(12)は、「本番前は緊張してお腹が痛かったけど、あっという間に本番が終わってしまってちょっと寂しかった。でも、とても良い思い出ができました。来年も出演したいです!」と元気いっぱいにステージを振り返った。大阪府吹田市の篠嵜ほのかさん(12)は、「今回が初めてで分からないことがあったり、緊張をしていたけど、最後まで自分らしく楽しくできて良かったです」と話した。大阪府豊中市の児玉里奈さん(16)は「キャストさんから、舞台が始まる前や本番中も、『頑張ろうね』と励ましていただき、リラックスできました。こんな大きな舞台で素敵な赤毛のアンに出演させていただき、すごく感謝しています」と、ステージに立つ人だけが感じられる喜びを話した。TOURSミュージカルの出演経験者は、その後さまざまな舞台で活躍している人も多いという。“わが町”の、新たなスター候補の今後に注目だ。

児玉里奈さん(右から2番目)、古松華さん(右から5番目)、篠嵜ほのかさん(右から7番目)

 




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