脚本・岡部尚子(空晴)×演出・内藤裕敬(南河内万歳一座)でおくる兵庫県立ピッコロ劇団『夢をみせてよ』2/28-3/1芸文センター

 兵庫県立ピッコロ劇団第66回公演『夢をみせてよ』は、軽妙な関西弁の会話劇に定評がある劇団「空晴(からっぱれ)」代表の岡部尚子が脚本を書き下ろし、「南河内万歳一座」座長の内藤裕敬(ひろのり)が演出する新作劇。2月28日(金)~3月1日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールで上演される。劇団設立25周年記念作品で、ピッコロ劇団と関西俳優陣がタッグを組んで取り組むピッコロシアタープロデュース公演の第11弾。小川菜摘が客演することでも注目される。

(後列左から)内藤裕敬、岡部尚子。(前列左から)一木美貴子、小川菜摘、原竹志、金田萌果=1月28日、尼崎市内で

 1月28日に尼崎市内で開かれた製作発表会で、ピッコロシアターの大鳥裕士館長は岡部に「犬にまつわる話」を依頼した意図を次のように話した。

「25年前、阪神・淡路大震災が発生して4日後にアニマル・レスキューが活動し始めた。それを機に犬と人間の関係が進化し、法も整い、介助犬シンシアのエピソードも知られるようになった。しかし時を経た今、介助犬や盲導犬など、補助犬の存在は思うように認知されていないように思う。この公演を通して動物と人が共生できる社会をめざすメッセージを送れないかと考えている」

 

 物語の舞台は宝塚市内。座付き作家が東京に引き抜かれた、ある劇団の稽古場から始まる。劇団のピンチをよそに、劇団員まゆ(金田萌果)は、危篤状態になった仲良しの「ばあちゃん」が会いたがっている「しんちゃん」を探したいと、皆を巻き込んでしまうのだが……。

 

 幼いころ犬を飼いたかったが母に止められ、結局飼ったことがないという岡部は「犬にもいろんな個性があるだろうが、それをストレートに描くのは難しく、劇団といういろんな個性の人が集まる、自分もよく知っている場を通じて描くことを考えた。犬の散歩をするアルバイトも、バイト生活で暮らす劇団員なら自然。物事に巻き込まれるお人好しも劇団員のキャラクターに多い」と、劇団という設定を選んだ意図を話した。

 「僕は何べんも犬の寝言を聞いたことがある」と話し始めた内藤は「寝言を言うということは、夢を見ているということ。一体どんな夢を見ているのか? 犬と人間は何が違うのか? どんな関係性があるのか? 介助犬シンシアは、飼い主の木村佳友さんにとって人間以上の存在だったはず。岡部さん得意のすれ違い、入れ違い、勘違いで、人だか犬だかわかんない話を軸に、人と人以外のものとの関係性を考えてみたい」と話し、劇団内オーディションでは若手メンバーを中心に選んだという。

 客演の小川は2015年と19年に岡部の「空晴」公演に出演、16年には内藤が作・演出した「愛の終着駅」にも出演している。「演じるのは、犬の気持ちがわかる、クララという女性の役。実際に犬を4匹飼っていて、意外と気持ちがわかるんじゃないかなと思います」。内藤は小川の役を「犬版“イタコ”みたいな役ですが」と笑わせた後、「犬と人の間に立つ、とても重要な役です」と補足。

 ピッコロ劇団員の原竹志は、引き抜かれた座付き作家と同期の劇団員の役。「岡部さんの会話劇の互いに誤解し合うような作風と、不条理を体を駆使して説得していくような内藤さんのダイナミックな演出とが重なった時に、どういう演技で応えていけるのか。これから模索しながら稽古したい。以前の公演で客席に盲導犬がいたことがあり、あぁ今日はそういう公演の日なんだなと思ったことがあったが、いま僕があまり知らない介助犬のことをこの公演を通じて知ることと、演劇をあまり見たことがない人が劇を見ることは、どちらも知らないことを知るという意味では同じ。この公演がいろんな人たちが生きていることを知る機会になってくれればいいなと思う」と話した。

 金田は2年目の劇団員。「まゆ役は真っ直ぐで正直で、自分に近いキャラクターだと親近感が沸いた。ことの発端となる役なので、一生懸命がんばります!」

 プロジェクトKAIから客演する一木美貴子は「ワンちゃんが人間と暮らす時の最低限のしつけを手伝うパピーファミリーのおばさんの役です。年齢的にも出演者の中で一番上だと思うので、稽古が始まって頭と体の柔軟性、スピード感、瞬発力を求められて内心焦っています。言葉にすると軽くなるけれど、命の大切さがじんわりと伝わるような劇になれば……」と抱負を語った。

 小川と一木のほかの客演は、小池裕之(空晴)、原田樹里(演劇集団キャラメルボックス)、福重友(南河内万歳一座)、青野愛子、柴野航輝、長山知史。

2月29日(土)は音声ガイド付きで2公演

 【公演情報】2月28日(金)19時、29日(土)・3月1日(日)11時、16時開演(全5回公演、29日の2公演は音声ガイド付きで上演※要事前申し込み)。兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール。全席指定。一般4,500円、大学生・専門学校生3,000円、高校生以下2,500円。

 【問い合わせ】兵庫県立ピッコロ劇団 TEL06・6426・1940、FAX06・6426・1943

 ピッコロ劇団のホームページはコチラ http://hyogo-arts.or.jp/piccolo




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