松山バレエ団「くるみ割り人形」
生きる喜びと感謝を分かち合う 11月、フェスティバルホールで

松山バレエ団が総出演で贈るバレエ・ファンタジーの超大作「くるみ割り人形」、11月23日(水・祝)、大阪・中之島のフェスティバルホールで上演される。

松山バレエ団で今年41年目を迎える代表作。フェスティバルホールでは3年ぶりの全幕公演となる。少女クララが魔法で姿を変えられた醜いくるみ割り人形の中に秘められた王子の魂の輝きに気づき、大切に愛することで魔法を解き、元の王子の姿に戻す物語。王子との出会いと別れを通じてクララの心の成長と、愛の美しさとひたむきさを、森下洋子を中心とする松山バレエ団が繊細な演技と巧みな演出で表現する。チャイコフスキーの親しみやすいメロディーに乗せて、お菓子の国など華やかな場面が続く年末らしい作品で、ギゴーニュおばさんとキャンディボンボンの場面には大阪の子どもたちも舞台上に加わり、年齢を超えて幅広く楽しめる。

大阪で取材会に出席した森下洋子(左)と清水哲太郎

昨年に舞踏歴70周年を迎えた森下は、少女クララについて「初演から41年目を迎えますが、世相を反映し、毎年少しずつ変化し成長してきました」と振り返る。自身を「未熟で不器用です」とどこまでも謙虚に評価。「毎日踊っていると、できなかったことが少しできるようになっていく感覚があります。ありがたいことに、今回も全幕を踊らせていただきます。ともに稽古をする仲間と一緒に舞台に立てるのは幸せです」と抱負を語る。

台本・演出・振り付けの清水哲太郎は今公演に向けて、「『くるみ割り人形』はバレエでも1、2を争う人気の作品。松山バレエ団の公演では『くるみ』の楽曲だけでなく、チャイコフスキーの名曲も使い、団員全員がアーティストとしてオリジナルの高い目標にチャレンジしています」と意欲。バレエが盛んなウクライナとロシアで戦火が起きた今年。「どちらの国にもたくさんの友人がいます。私たちは阪神淡路や東日本の大震災で、過酷な状況下にあっても生きていく強さと喜び、人を愛する素晴らしさを知りました。舞台芸術を通して、人に対する思いやりや感謝の気持ちを分かち合いたい」と清水は語る。

今年は松山バレエ団を長く支援した京セラとKDDI創業者の稲盛和夫氏が8月に逝去した。森下は「稲盛先生は道を極めるという意味で通じるものがあり、温かく見守っていただきました。ゆかりが深い関西で感謝の気持ちを込めて踊らせていただきます」と話していた。

11月23日(水・祝)15時開演。BOX席23,000円、バルコニーBOX席30,000円、SS席16,000円(子ども8,000円)、S席13,000円ほか。フェスティバルホールチケットセンター、電話06・6231・2221(10~18時)。




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