ミュージカル「太平洋序曲」4月に梅田芸術劇場で 出演の山本耕史「疲れた心を“開国”して」

4月に梅田芸術劇場メインホールで、ミュージカル「太平洋序曲」が上演される。舞台に出演する俳優の山本耕史が、大阪市内で行われたPR会見に出席した。

ミュージカル界の巨星、スティーヴン・ソンドハイムが手掛けた1976年初演の名作を、梅田芸術劇場と英国メニエールチョコレートファクトリー劇場が共同制作。「TOP HAT」での鮮やかな手腕が記憶に新しい、オリヴィエ賞ノミネート演出家マシュー・ホワイトを迎え、新たな演出で届ける。

作品では、黒船に乗ったペリーの来航を受けて開国へと舵を切る動乱の時代を描く。海外からの視点で日本の江戸時代末期を描いた貴重な世界観が特徴だ。山本は舞台の重要なカギを握る「狂言回し」役として出演する。

脚本について山本は、「日本人が書いたらこうはならないだろうな、という面白さや、僕たちが知る史実とは違う『ファンタジー』を感じる部分もある。そこに、日本人が作る緻密さやリアルさを新たに盛り込めていけたら」と意気込む。台本で「狂言回し」と設定された役どころを演じるのは初めてとしながらも、「お客さんとステージの中間に存在しているようなイメージで稽古を進めています」と話す。

「Someone in a Tree」をはじめ、作品には聴きごたえある楽曲が散りばめられているが、劇中歌を初めて聴いた時は「頭を使わなければ歌いこなせない。何が何だか…。と思った(笑)。でも入り口は狭いけれど、練習していくと曲の中に入れる扉を見つけ、その先へ入ると自由になれる予感がある」と手ごたえをつかんでいる。練習のために自宅で口ずさんでいると、子どもがそれを覚えて歌うようになっていたとも明かし、「すごく難しいメロディーなのに。インパクトがあるから子どもも覚えるんだろうな、と思いました」と振り返る。

ブロードウェイでの初演は、自身が生まれた年と同じ1976年ということにも、浅からぬ縁を感じている。「いい作品は、必要だからこそ残り続けると思う。(黒船のように)得体のしれないものが日本にやってきて、国じゅうを震撼させていったところに、日本人がどう立ち向かっていったのか? コロナ禍の今のこの時代に、上演されるべくしてフィーチャーされたんだろうなと思う。落ち着かず大変な日々は続くけれど、エンターテインメントとして素晴らしい作品にしてみせる。心が疲れたなと思う人は、舞台を見て、鎖国した心を開国してほしい」と力強くメッセージを送った。

 

 

  • 2023年4月8日(土)~16日(日)梅田芸術劇場メインホール
  • 全12回公演 S13500円、A9500円、B5500円(全席指定・税込み)
  • チケット発売中 公演詳細はHPで  https://www.umegei.com/pacific-overtures/

 

 




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カテゴリ: エンタメ