ポップサーカス西宮公演【鑑賞リポート】
妙技の連続に活気と迫力 これは生で体感するしかない!

キューバやチリ、スロバキアなど世界11カ国からトップパフォーマーが集結した「ポップサーカス」が西宮市津門飯田町の特設大テントで開演中だ。その活気と迫力に満ちたパフォーマンスの模様をいくつかご紹介したい。

燕尾服を着たリングマスターがオープニングを盛り上げる

特大テントに入ると、サーカス特有の熱気と観客の期待感に包まれる。燕尾服を着た舞台の水先案内人のリングマスターが合図を送ると、バイオリンの音が鳴り響き、空中ブランコに乗ったパフォーマーが空に放たれた鳥のように客席へと迫ってくる。「これぞサーカス!」とオープニングから胸が高鳴った。約1300席の会場はステージに近くアットホームで、パフォーマーの一挙一動が目に留まりやすい。

ジャグリング

メキシカンハットをかぶった陽気なメキシコ人の兄弟が、目にも止まらぬ速さで「ジャグリング」を始める。ジャグリングしながら、はいていたズボンを脱いで別のズボンにはき替え、ベストを着けスニーカーを履いていく。また、互いのメキシカンハットを交互に脱がせて、かぶせたり、高く飛ばしたり、そのコミカルな動きに観客は笑い、客席の温度が一気に上昇した。

アフリカン ハンド ヴォルテージ

続いて、「アフリカン・ハンド・ヴォルテージ」が始まる。子どもを交えた8人組のエチオピアの男性たちがアフリカの大地を踏みしめるような民族舞踊の力強いステップを刻む。彼らの技は道具を全く使わない。組み立て体操のように高い二つのピラミッド形になると、飛び手がトランポリンに乗っているようにポンポンと宙を飛び、交差していく。回転したり、バク転したり、肩の上に3人立ったその上に子どもが乗って回転したり。スピーディでしなやかな漆黒の体が輝き、美しい万華鏡を見ているようだった。

デスホイール

ステージに9メートルの天秤のマシーン「デスホイール」が現れた。風車のように、天秤の両端の輪(ホイール)が超高速で回転する。その輪の中と外で、パフォーマーが命綱も安全ネットもなしで、マシーンと一緒に回っている。時には目隠しの布をかぶってバック転したり、縄跳びしながら回転したりと、とても人間技とは思えない。人間がマシーンと一体化し、サイボーグのように自由自在なパフォーマンスに息をのむばかりだ。

ユニサイクル

あどけなさが残る女性たちが高さ1・8メートルの一輪車に乗る中国雑技団の「ユニサイクル」は西宮公演から追加された演目。一輪車に乗ったまま、片足の上に載せた皿を放り投げて、頭上の別の皿の上に重ねたり、皆で一列に並びラインダンスのように足を高く上げたりと、軟体動物みたいに柔らかい体と技は中国の雑技団ならでは。愛らしい表情も魅力の一つだ。

リボンアクロバット

一方、2本の布(リボン)を天井から吊るし、男女のペアが空中でパフォーマンスを見せる「リボンアクロバット」はロマンティックかつスリリング。命綱を付けずに二人がリボンと共に天井近くまで高く上り、お互いの首や腕に絡まり、回転する。時には空中で逆立ちして開脚したままの男性の腕に女性がぶらさがり、その「あ・うん」の呼吸とハラハラドキドキの演技に場内からため息がもれた。バラの花を使ったあっと驚くパフォーマンスにも注目してほしい。

空中ブランコ

ほかにも女性マジシャンによる「イリュージョン」や、大技が連続する「空中ブランコ」などの演目が目白押しだ。その息遣いまでも感じられる妙技の連続は、生で見ないと体感できない。ぜひ、足を運んでほしい!(米満ゆうこ)

公演情報は「ポップサーカス」のWEBサイトへ。http://www.pop-circus.co.jp/

※写真はポップサーカス提供




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