魚貝の炭火焼きに丹波篠山の地酒を
【庵寿】西宮市・西宮北口

関西・オンナの美酒佳肴

 

魚貝の炭火焼きに丹波篠山の地酒を

【庵寿】西宮市・西宮北口 

 神戸と大阪のほぼ中間にあるターミナル、阪急・西宮北口の夜はにぎやかだ。塾帰りの子ども、大学生のグループ、ほろ酔い気味の大人など、様々な世代が行きかう。お気に入りの店はいくつもあるが、グルメな友人たちとの食事会に選んだのは、炭火焼料理の庵寿だ。

 

肉厚の牡蠣を炭火焼で
肉厚の牡蠣を炭火焼で

 

 のれんをくぐると、食材や料理が並ぶカウンターの向こう側で、大将が手を止めて「いらっしゃい!」と笑顔を見せて、女将さんが座敷に案内してくれる。初めてこの店に来たのはたぶん10年以上前、ふらっと入った時に偶然友人家族が食事に来ていて、ほぼ毎週通う常連だと聞いた。料理を食べるとそれはすぐに納得できて、時折訪れる店となった。

 

鳳鳴・生詰純米原酒
鳳鳴・生詰純米原酒

 

 乾杯は鳳鳴酒造の鳳鳴・生詰純米原酒。酒米・五百万石のすっきりとした旨みが広がった後、するりと喉を通りぬける。鳳鳴酒造のある兵庫県篠山市は、この5月に丹波篠山市と市名変更することでも話題になっている。阪神間から車で約1時間、城下町の風情が残る町並みが人気で多くの観光客が訪れる。篠山城の近くにある見学施設「ほろ酔い城下蔵」は鳳鳴酒造のもので、昔のままに保存・公開されている。

 仕込みが行われているJR篠山口駅近くの味間蔵で試飲した搾りたての酒の美味しかったことといったら。その時案内してくださった杜氏が造る「鳳鳴大吟醸」は、平成24年と29年に全国新酒鑑評会で金賞を受賞した。西尾社長には大阪で日本酒の会をしていただくこともあり、飲み屋で見かけると必ず味見をしたくなる。

 

香ばしいシシャモ
香ばしいシシャモ

 

 メニューは炭火焼きが中心で、その日に入る新鮮な魚が楽しめる。今日のおすすめはシシャモと牡蠣。人数分を頼もうとすると、フランス料理のシェフである友人が「私はシシャモはいらないです」と言う。ところが、ふっくら焼きあがったシシャモを見たとたんに「オーダーすればよかった」と後悔することしきり。まさか本物とは思っていなかったようだ。

 


◆ MENU
日本酒 700円~
大吟醸、プレミアム 800円~
炭火焼シシャモ 800円
コース料理 3,000円〜 ※前日までに要予約

◆ Data
庵寿
電話:0798-66-2877
住所:兵庫県西宮市南昭和町9-9
営業:17:30~23:00(22:30 L.O)
休み:月曜


◆ Writing / 松田きこ
(株)ウエストプラン代表。兵庫県西宮市在住。食・観光・人物取材に日本中を飛び回る。ライター歴20年以上。編著書「神戸・阪神間 おいしい酒場」「くるり西宮・芦屋・東灘・灘」「くるり丹波・篠山」他
http://www.west-plan.com/