オムライスの店で長崎芳寿豚と焼酎を味わう

関西・オンナの美酒佳肴


【おむらいす屋】大阪・桃谷 

 

韓国在住の友人が一時帰国して「食事でも」となった日、彼女が食べたいと言ったのはオムライスだった。彼女が住む地方都市で、オムライスがある店はまだ見つけられていないらしい。それならと案内したのは、桃谷の商店街にある「おむらいす屋」さん。そのまんまの名前だが、ランチを食べた時に、カウンターに貼ってある夜メニューが気になっていたのだ。

オムライス・トマトソース

店主の佐藤さん夫妻は、オムライスの店を始めて約30年。最初は天神橋筋7丁目で、コロナ前までは天神橋で営業していた。桃谷に移転して2年と少し、店の前にある黄色い看板は最初の店からずっと変わっていない。そのため、看板を見て、「もしや…」と入ってくる人もいるとか。

青ネギの生姜炒め

カウンターに座って、まず私は麦焼酎のお湯割り、友人はハイボールをオーダー。すると奥様が、「3杯以上飲むでしょう、ピッチャーなら3杯分入って値段はお得ですよ」と良心的なアドバイス。たぶん3杯は飲むな、ということで各々ピッチャーを注文。
料理メニューがとれもおいしそうで、さんざん迷って、おすすめの青ネギの生姜炒めからスタート。1束まるごと使っているのでは、と思えるほどたっぷりのネギはさわやかな風味で、生姜がピリッときいている。「これは始めての味、元気になりそう」と友人。

アトランティックサーモンのちゃんちゃん焼き

卓上で焼く「アトランティックサーモンのちゃんちゃん焼き」は、じゃがいも、玉ねぎ、キャベツなど、たくさんの野菜とサーモンに火が通ったら、合わせ味噌をよく混ぜていただく。熱々の具が味噌の香ばしさをまとって、なんともいえない。

めずらしい芳寿豚(ほうじゅとん)は長崎の芳寿牧場で飼育された特別な豚。豚バラ串焼きを選んでみると、脂があっさりして、うまみがたっぷり。ご主人の「スペアリブもおいしいよ」という声に、今回は食べ切れないからと遠慮しつつ、次は絶対食べようと決めた。

さて、飲んで食べていよいよ締めのオムライス。大中小と3つのサイズがあるのだが、小でも十分ボリューミィなので二人で分けることに。トマト味のオムライスを想像していたであろう友人だけど、たくさんの種類の中から「山椒好きだし初めてだから」と山椒チキンを選んだ。たっぷりの実山椒のしびれるような辛さに、きりっとした香り、しばらくすると、すっとその辛味が消えた。なんとも心地良いあと味だ。

オムライスの注文方法は、まずSMLの大きさを選び、次にソースの有無を選ぶ。ソース有りならトマトソース、デミグラスソース、ホワイトソースから好きなものを選び、そして具材と好みでトッピングを選ぶ。バリエーションが豊富で本当に迷ってしまう。「材料にはこだわっています」とご主人が言うように、貝柱や鰻など意外な食材がたっぷり入って味付けもそれぞれ違う。夏はハモ、秋は松茸、冬は牡蠣など、季節の味も興味深い。

ソースもそれぞれ自家製で、トマトソースは、カットトマトにセロリや玉ねぎなど7~8種類の野菜を加えて、隠し味のパイナップルでまろやかな味に。ちなみにソースなしは、素材の味を生かした和風味で年配者にも人気だ。ランチ、ディナーともにオムライスには、サラダと鶏ガラスープが付いて、これもまたお得。

アットホームな雰囲気においしい料理、移転してもわざわざ足を運んでくるファンが多いのも納得の店。

 



◆ MENU(税込)

青ネギの生姜炒め500円
アトランティックサーモンのちゃんちゃん焼き1,380円
豚バラ串焼き1,500円
オムライスM880円~(テイクアウト864円~)
※2階は1日1組限定完全貸し切り。営業時間内なら時間無制限。2日前までに要予約。
ルームチャージとして4名まで3,500円、5名からは1人あたり660円プラス。
料理はメニューからアラカルト、または1人3,500円より、希望に添ったお任せコース。ドリンク代は別途。


◆ Data

おむらいす屋
住所 大阪市生野区勝山北2-4-2
電話 06-6715-5100
営業時間 火~金12:00~14:30、土12:00~23:00(22:00LO)、日祝12:00~21:00(20:00LO)
定休日 月曜

◆ Writing / 松田きこ(ウエストプラン)
http://www.west-plan.com/

 

※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため対策した上で取材・撮影しています。
※お出かけの際は府県が発表する最新情報とお店の営業状況をご確認ください。