山上のテラスで、絶景を見ながら地ビールを
【六甲ガーデンテラス グラニットカフェ】神戸市灘区

関西・オンナの美酒佳肴

 

山上のテラスで、絶景を見ながら地ビールを

【六甲ガーデンテラス グラニットカフェ】神戸市灘区 

 

 阪神間に住んでいると、六甲山は日常の景色の中に埋もれている。学生時代や社会人になりたてのころはドライブがてらよく行っていたのに、身近すぎるせいか、しばらく遠ざかっていた。昨年、芸術祭を目当てに久しぶりに訪れたとき、以前に比べてそれぞれの施設の雰囲気が変わっているような気がした。個人的なイメージだが、大人向けというか、今の方が楽しめると思えて、時々訪れるようになった。そしてこの季節もまた、ケーブルカーに乗って、六甲山に出かけた。

 

六甲の景色
目の前に広がる美しい景色

 

 六甲ケーブル山上駅から六甲山上バスで、各施設を巡回できる。その中の一つ、六甲ガーデンテラスで休日のランチをとることにした。山上の空気は冷たいけれど心地よい。同じ思いからかテラス席は、ほぼ満席。眼下に広がる神戸と阪神間の町並み、明石海峡大橋、淡路島。条件がよければ和歌山県の友ヶ島が見えると店の人が言っていた。絶景というキーワードが流行の今、ここはまさに絶景レストランだ。

 

メイン料理と地ビール
六甲山の地ビールと秋のグラニットランチ

 

 六甲山でしか飲めない、買えない、地ビールは、風・森・灯という六甲山らしい素敵なネーミング。「風」は飲みやすいピルスナー、「森」は苦みが強いインディアペールエール、「灯」は黒ビールのポーターだ。
 料理は、地元の食材をふんだんに使った秋のグラニットランチ。メインは、三田ポークのローストだ。六甲山の北側にある三田市で育てられた三田ポークは、ミネラルが多い三田の地下水を飲み、すくすくと育つ。この三田ポークを淡路島の藻塩でマリネして、白ワインと香味野菜で煮込んでから表面をローストした、いわば角煮のステーキ。これを、赤ワインビネガーのソースでさっぱりといただく。

 やわらかい肉が口の中でほどけていく。肉の旨みを酸味がきいたソースが包み込む。「三田ポークは脂の部分も美味しいのでバラ肉を使っています」と店長の長濱秀介さん。香ばしいホップの風味をもつ地ビールと合うわけだ。付け合わせの秋野菜も兵庫県産で、味付けはさっぱりと和のダシ。ランチビールは、ほろ酔いとまではいかず、美味しく食事をするためのアクセントであり、心地良いひとときなのだ。

 

久保寛子「Sleeping Guardian」
公募大賞グランプリ作品:久保寛子「Sleeping Guardian」/展示会場:六甲高山植物園

 

 食事のあとは、各施設をまわってアートを楽しむ。今年で8回目となる六甲ミーツ・アートは、六甲山の施設や自然の中で、現代アートが個性的な世界を作り出す。15人の招聘アーティストと一般参加による合計39組のアートは必見だ。街中から30分で山上に上がれる、近場のリゾート六甲山。11月23日までの芸術祭期間中は、夜間のイベントもあるので、次は夜景を見ながら飲んでみよう。ケーブルカーの最終に間に合うように。

 


◆ MENU
六甲山ビール(風・森・灯)各650円
秋のグラニットランチ(スープ、メイン、パン又はライス、デザート、ドリンク付)2,160円

◆ Data
グラニットカフェ
電話:078-894-2112
住所:兵庫県神戸市灘区六甲山町五介山1877-9 六甲ガーデンテラス内
営業:平日11:00~20:00(LO)、休日11:00~20:00(LO)、土曜喫茶のみ~20:30(LO)
休み:なし(冬期定休日あり)


◆ Writing / 松田きこ
(株)ウエストプラン代表。兵庫県西宮市在住。食・観光・人物取材に日本中を飛び回る。ライター歴20年以上。編著書「神戸・阪神間 美味しい酒場」「くるり西宮・芦屋・東灘・灘」「くるり丹波・篠山」他
http://www.west-plan.com/