奈良・ならまちで「路地ぶら」楽しんで
特別な御朱印やガイド 冬の観光キャンペーン

歴史的な町並みが残る奈良市中心部の「ならまち」エリアを舞台に、「冬の奈良大和路キャンペーン2022~路地ぶら ならまち~」が2月28日(火)まで開かれている。

写真提供:奈良市観光協会

ならまちは世界遺産・元興寺の旧境内を中心とするエリアを指す。元興寺は718年に飛鳥の法興寺(飛鳥寺)が平城遷都に合わせて移転したとされ、奈良が社寺のまちから商業のまち、観光のまちへと移ろう中で、時代とともに盛衰を繰り返してきた。

地区には江戸時代末期から明治時代にかけての町家が今も多数残り、往時の面影をしのばせる。町家は間口が狭くて奥行きが深いといった特徴があり、正面の格子戸は日差しや風を調節するとともに、外から中の様子を見えにくくする工夫が施されている。また、災いを代わりに受けてくれる「身代わり申」の「庚申さん」信仰も厚く、軒先に吊るされた赤い布飾りは、ならまちの風物詩だ。

ならまちは「庚申さん」信仰が厚く、奈良町資料館にも赤い布飾りが架けられている

キャンペーンでは期間中、地区内にある世界遺産・元興寺(真言律宗)、華厳宗元興寺、十輪院、御霊神社で特別御朱印を用意。特別御朱印は「古くて新しい奈良の意匠」をコンセプトにした押し印がが押された今回限定の仕様だ。また、1月、2月の毎週土・日曜には、普段は予約しないと拝観できないお寺を含めた11カ寺で、ボランティアガイドによる案内や御朱印の授与を展開。1月は西光院、聖光寺、小塔院、法徳寺、阿弥陀寺(拝観のみ)で、2月は興善寺、高林寺、金躰寺、称念寺、誕生寺、徳融寺で実施する。

世界遺産・元興寺(真言律宗)、十輪院、誕生寺、阿弥陀寺は拝観料が必要。御朱印納経料は各社寺で問い合わせを。また、期間中、ならまちエリア周辺の28カ所の店舗・施設で合言葉の「路地(ろじ)ぶら」を伝えると、割引や「おまけ」などの特典が付く。

華厳宗元興寺には五重大塔の跡を示す立派な礎石が残る

今は町家が情緒豊かに立ち並ぶならまち。脈々と時間を紡いできた狭い路地を縫って歩くと、市街地とは思えない静けさと凛とした空気を感じる。華厳宗元興寺は、市西部の薬師寺東塔・西塔に匹敵する五重大塔が1850年代の安政年間までそびえ立ったといい、今も境内に残る立派な礎石の数々が当時の繁栄を今に伝える。

奈良町資料館では、昔なつかしい民具や町に伝わる仏像、美術品などを見ることができる。南哲朗館長は「この町の足元には1300年分の歴史が積み重なっています。人々が受け継いできた文化を大切に守り、伝えていきたい」と話す。

特別御朱印を手にする御霊神社の藤井貴弘宮司

御霊神社は、ならまちを守護する氏神として親しまれてきた。期間中、本殿が春日大社からの「移し」であることを示す「雁字板」(がんじいた)をモチーフにした押し印のある特別御朱印が授与される。御霊神社の藤井貴弘宮司は、「天変地異や疫病が鎮まってほしいの願いは昔も今も変わりません。古くから神仏とともに暮らしてきた奈良の人々の営みを、ならまちを歩いて感じていただきたい」と話していた。

詳しくは奈良市観光協会のホームページへ。
https://narashikanko.or.jp/topics/fuyunonaratabi/

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さらに、春日大社を加えたエリアではJR西日本の「ちょこっと関西歴史たび『世界遺産 春日大社とならまち』」が3月13日(月)まで開催中。今年10月に式年造替が完了した春日大社の「若宮社」(重要文化財)に焦点をあて、春日大社国宝殿での特別展や奈良国立博物館での式年造替記念特別展などを組み合わせた冬の奈良散策を提案している。1月22日(日)までの開館日に、交通系ICカード(ICOCAなど)でJRを利用して奈良駅または京終駅経由で来館すると、割引き価格で入場できる。

「ちょこっと関西歴史たび」については詳しくは下記へ。
https://www.jr-odekake.net/navi/rekishi_tabi_kasugataisha/




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