ルーマニアのシビウ国際演劇祭総監督キリヤック氏の一人芝居とトーク~10/28(月)山本能楽堂~

 毎年6月に10日間開催されるルーマニアのシビウ国際演劇祭は、アヴィニヨン(仏)、エジンバラ(英)と並ぶヨーロッパ三大演劇祭の一つ。1994年のスタート当初は学生限定の小さな演劇祭だったが、25周年を迎えた2018年は三大演劇祭の中でも最大規模を誇るまでになり、期間中には世界から約70万人の観客が訪れるという。

 10月28日(月)シビウ国際演劇祭総監督コンスタンティン・キリヤック氏が来日し、山本能楽堂(大阪市中央区)で一人芝居とトークのイベントが開かれる。19時開演(18時30分開場、21時終演予定)。

「エミネスク、僕の友、兄弟よ(Domnule și frate Eminescu)」を演じるコンスタンティン・キリヤック氏

 キリヤック氏による一人芝居「エミネスク、僕の友、兄弟よ(Domnule și frate Eminescu)」を字幕付きで上演後、休憩をはさんでルーマニアの小さな田舎町が文化の力で都市再生を果たした軌跡と今後について、国内外の創造都市研究の第一人者、佐々木雅幸氏(金沢大学教授、文化庁地域文化創生本部主任研究官)とクロストークする。

 一人芝居はルーマニアで国民的な人気を誇る詩人ミハイ・エミネスクと作家イオン・クレアンガの対話形式で、2人の創造的なつながりとユニークな友情を探っていく。偉大なルーマニア人アーティストたちへのオマージュ的な作品となっている。

 

 山本能楽堂は、2016年に能として初めてシビウ国際演劇祭に招かれ「安達原」を上演し、大喝采を受けた。その折にキリヤック氏は「日本の伝統芸能は世界中で最も崇高な舞台芸術だ」と高く評価したという。その後も4年連続で参加し、公演以外にストリートライブ能、ワークショップ、シンポジウム参加などを通じて日本文化を通した国際相互理解につとめていることから、今回の公演が実現することになったという。

 料金は前売り3,000円、当日4,000円。チケットは山本能楽堂のホームページ山本能楽堂のホームページ または TEL06・6943・9454へ。

 

 なお、シビウは、故・十八代中村勘三郎率いる平成中村座の最初のヨーロッパ公演の地の一つとしても知られ、2008年の公演以後、歌舞伎とのつながりも深い。2018年には串田和美が監修して、回り舞台と花道を備えた「カブキホール」を新設。そこで、鶴屋南北の「桜姫東文章」をルーマニアの映画監督・演出家シルヴィウ・プルカレーテが翻案した「スカーレット・プリンセス」を新制作し初演した。プルカレーテは2017年10月に佐々木蔵之介主演「リチャード三世」の演出を手掛けたことでも話題になった。「スカーレット・プリンセス」は来年5月、日本公演も予定されているという。

 




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