伊丹出身の罠猟師 千松さんの暮らしに密着~映画「僕は猟師になった」9/12(土)大阪・神戸で公開

京都市北部で罠(わな)を使って動物を捕獲する罠猟をする千松信也さん(45)の暮らしに密着したドキュメンタリー映画「僕は猟師になった」が9月12日(土)から第七藝術劇場と元町映画館で公開される。

川原愛子監督が2年前、NHKディレクターとして千松さんを番組で取り上げたところ、千件を超える再放送希望が殺到。昨年春まで約300日の取材を追加して映画化した。

「精神的にも体にもラクな方へと向いてきて、のびのび暮らしている」と話す千松信也さん=8月14日、大阪市内で

千松さんは伊丹市出身。昆陽池の近くで自然に触れて育ち、高3まで獣医志望だったが目標を見失い、浪人中に大阪市内の古本屋で民俗学を知った。「近所のおばあちゃんたちが話していた河童(かっぱ)や豆狸(まめだ)の話が学問になるって面白いな」と京都大学文学部へ。吉田寮でユニークな人たちと出会い、人間の面白さにひかれ、4年間休学し、東南アジアを中心に放浪した。独立に向かう東ティモールで「国づくりに励む同世代と話して、生まれた国で地に足をつけて、やりたいことを考えよう」と気持ちを切り替えた。

帰国後、現在も勤務先の運送会社で罠猟に出あう。「社員に罠猟をしている人がいて、やってみたら思いのほかのめり込み、自分が昔、動物とかかわりながら生きていきたいと思っていたことなどを思い出した」。狩猟しやすい環境を求めて京都・北山に転居。薪(まき)を使い、山菜やキノコ、ハチミツなどの自然の恵みを得る暮らしを、映画は俳優・池松壮亮さんの語りとともに描く。「街と田舎のいいとこどりのハイブリッドな暮らしを楽しんでいます」

「僕は猟師になった」の1シーン

3歳下の妻と12歳と10歳の息子と暮らす食卓に上る肉は千松さんの獲物だ。「毎年11月15日からの猟シーズンにシカ、イノシシ合わせて10頭ぐらいで僕は猟をやめる。自家消費分だけで、必要以上には獲(と)らない。人類は肉をいただいて連綿といのちをつないできた。その技術は継承されないと」。数が増え、獣害を起こすと焼却処分されるシカやイノシシ。それらが自然の恵みでもあることを、千松さんは知っている。

 

 

映画「僕は猟師になった」公式ホームページ https://www.magichour.co.jp/ryoushi/




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