大阪中之島美術館で「モディリアーニ展」
人間の尊厳を伝える芸術家の軌跡 演奏&講演会も

アメデオ・モディリアーニの作品をまとめて紹介する機会としては日本で14年ぶりとなる「モディリアーニ ―愛と創作に捧げた35年―」が、大阪市北区の大阪中之島美術館で、7月18日(月・祝)まで開かれている。2月に開館した同館の開館記念特別展の第1弾。同館所蔵の《髪をほどいた横たわる裸婦》をはじめ、同時代に活躍したピカソや藤田嗣治ら「エコール・ド・パリ」の作品などが展示されている。

約40点のモディリアーニ作品が並ぶ

モディリアーニは1884年イタリア生まれ。祖国で美術を学んだ後、21歳でフランス・パリに出て、フォーヴィスム、キュビスムなど新しい芸術運動とは一線を画する独自の表現様式を築いた。一貫して制作に取り組んだのが人物像で、細面で首が長いなど独特のフォルムを追求し、人間の内面的な本質を捉えることに力を注いだが、35歳で急逝。まだ解き明かされていない事柄も少なくなく、今展は各国で進められているモディリアーニ研究の現在と成果をふまえた見応えのある展示となっている。

同じモデルを描いたとされる二つの《裸婦》が大阪で初競演

モディリアーニの作品は、フランス、イギリス、ベルギー、デンマーク、スイス、アメリカなどに所在する作品を選りすぐり、国内美術館の所蔵品と合わせて、油彩画や素描など約40点が集結。中でもアントワープ王立美術館から来日した《座る裸婦》は、大阪中之島美術館の約6千点のコレクションを代表する《髪をほどいた横たわる裸婦》のモデルと同一の女性を描いたとされ、大阪では初めての“競演”がかなった。

グレダ・カルボが愛蔵した《少女の肖像》

また、会場の最終盤に展示されている《少女の肖像》も見逃せない。スウェーデン生まれの伝説的ハリウッド女優、グレダ・カルボが生涯にわたって愛蔵した作品で、世界で初めて公開されている。

モディリアーニとともに活躍した芸術家の作品も多数展示。同世代にあたるピカソやシャガール。藤田嗣治らの作品はモディリアーニとの交流と合わせて紹介され、パリに吹いた芸術の新風の中、モディリアーニ芸術が成立する軌跡をたどることができる。

パリで活躍を始めたモディリアーニだが、1914年に始まる第一次世界大戦の影響を受け、18年には南仏に疎開。翌年パリに戻ったものの、間もなく35歳の若さでこの世を去った。再び戦争の影が世界を覆う現在、人間そのものを描き続けたモディリアーニの作品群は、私たちに生命の尊厳も語りかけてくるように見える。

一般1,800円、高大生1,500円、小中生500円。10~17時(入場は16時30分まで)。月曜休館(5月2日、7月18日を除く)。問い合わせは電話06・4301・7285、大阪市総合コールセンター(8~21時)。

特設サイト  https://modi2022.jp/

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演奏会と講演会も開催

展覧会の開催に合わせ、大阪中之島美術館では次の演奏会と講演会が開かれる。

■演奏会「ヴァイオリンで聴くモディリアーニとエコール・ド・パリ」
日時:6月11日(土)15~16時(開場14時30分)
演者:フェデリコ・アゴスティーニ氏(ヴァイオリニスト、愛知県立芸術大学客員教授)ほか

フェデリコ・アゴスティーニ氏

アゴスティーニ氏はイタリア・トリエステ生まれ。1986年から伝説的なイタリアの合奏団「イ・ムジチ合奏団」のコンサートマスターを担い、87年からはローマ・フォーレピアノ五重奏団、2004年からはアミーチ弦楽四重奏団の第一奏者として活動。世界各地の国際音楽祭にも招へいされ、室内楽奏者として共演を重ねているほか、欧米の大学などで教鞭をとり、日本では現在、愛知県立大学と洗足学園音楽大学の客員教授を務めている。ヴィヴァルディ「四季」を含めた協奏曲のCDやDVDなども発表。

※鑑賞無料。ただし、モディリアーニの展覧会の鑑賞券(半券可)が必要。
入場券を配布します(14時から配布予定)。

■講演会「モディリアーニの『目』と『眼差し』」
日時:6月25日(土)14時~15時30分(開場13時30分)
講師:岡田温司氏(京都大学名誉教授)

岡田温司氏

岡田氏は1954年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。専門は西洋美術史・思想史。「もうひとつのルネサンス」「モランディとその時代」「フロイトのイタリア」「映画は絵画のように」などを多数の著書・編著を持つ岡田氏がモディリアーニ絵画の世界感と魅力について話す。

※聴講無料。ただし、モディリアーニの展覧会の鑑賞券(半券可)が必要。
整理券を配布します(13時から配布予定)