古代メキシコの至宝 約140点が大阪に
国立国際博物館で特別展 「赤の女王」も初来日

古代メキシコの至宝が約140点も一挙に集結した特別展「古代メキシコ―マヤ、アステカ、テオティワカン」(朝日新聞社など主催)が5月6日(月・振休)まで、大阪市北区の国立国際美術館で開かれている。

古代メキシコの至宝が約140点も展示されている

紀元前15世紀から中世16世紀のスペイン侵攻まで、3千年以上にわたり繁栄したメキシコの古代文明。多様な環境に適応しながら独自の文明が花開いたメキシコは、現在では35もの世界遺産を数えるほど、歴史・文化の魅力に満ち、中でも古代都市の遺跡群は世界中から高い人気を誇っている。

今回の特別展では、そのうち、暦や文字など高度な知識を有したマヤ文明、軍事力と貢納制度を背景に繁栄を謳歌したアステカ文明、「太陽のピラミッド」などが知られ、巨大な計画都市を築いたテオティワカン文明の3つに焦点をあてている。

赤の女王墓をイメージした展示空間

最大の見所は「奇跡の初来日」とも言われるマヤの「赤の女王」の墓からの出土品の展示だ。マヤの代表的な都市国家バレンケの黄金時代を築いたパカル王の妃とされる通称「赤の女王(スペイン語でレイナ・ロハ)」。メキシコ国内と米国以外では初公開で、200年にわたる王朝一族の物語を浮き彫りにしている。

約140点にものぼる至宝はメキシコ国立人類学博物館をはじめ、アルベルト・ルス・ルイリエ、パレンケ遺跡博物館など、メキシコ国内の主要博物館から厳選されたものばかり。近年の発掘調査の成果も交えて紹介されており、かなりの見応えがある。

ティオティワカン文明の「太陽のピラミッド」

「赤の女王」のほか、アステカの大神殿(テンプロ・マヨール)、テオティワカンの三大ピラミッドなど、メキシコが誇る古代都市の遺物を、映像や、再現した構造物などとともに臨場感たっぷりに展示。火山の噴火や地震、干ばつなど厳しい自然環境のなか、神を信仰し時に畏怖しながら独特の世界観と造形物をつくり出した古代メキシコの文明は、災害や戦争が続く現代を生きる私たちにも貴重なメッセージを伝えてくれる。

当日券は一般2,100円、大学生1,300円、高校生900円。10~17時(金・土は20時まで、入場は閉館30分前まで)。月曜休館(4月29日、5月6日は開館)。
詳しくは特別展「古代メキシコ」公式サイト https://mexico2023.exhibit.jp/

※写真は2月の内覧会で撮影

 

 




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