多種多様な地域の課題が浮き彫りに!「第39回『地方の時代』映像祭2019」11月16~22日に関西大学

 全国のテレビ局、ケーブルテレビ局、自治体、市民、学生、高校生が参加するドキュメンタリー映像作品を集めた「第39回『地方の時代』映像祭2019」が、11月16日(土)~22日(金)に関西大学で開かれる。会場は最終日22日のみ梅田キャンパス、他の日は千里山キャンパス(阪急関大前)。入場無料。事前申し込み不要(先着順に入場、会場の収容人数を超える場合は入場できない場合もある)。

 「地方の時代」映像祭の市村元プロデューサーは「毎年の応募作品を見るにつけ、全国各地が抱えている課題がいかに多様で多岐にわたるかを改めて感じる」とコメント。今年の応募作品数は、放送局部門145、ケーブルテレビ部門55、市民・学生・自治体部門63、高校生部門16の全279作品。9月18日に発表された下記34入選作の中から、11月16日12時30分からの贈賞式で「グランプリ」「優秀賞」「選奨」「奨励賞」などが選ばれる。会場は千里山キャンパス第3学舎 ソシオAV大ホール。

 各部門の入選作は次の通り。

【放送局部門】

「毒の油を口にして~カネミ油症事件50年~」RKB毎日放送 (47分)〇「私は白鳥」チューリップテレビ(70分)〇「海を洗う~果てしなき機雷戦~」山口朝日放送(46分)〇メ~テレドキュメント「夢も、希望も」名古屋テレビ放送(52分)〇「その壁が守るもの~宮城・240kmの防潮堤~」仙台放送(47分)〇ETV特集「彼らは再び村を追われた 知られざる満蒙開拓団の戦後史」NHK長野放送局(59分)〇ETV特集「誰が命を救うのか 医師たちの原発事故」NHK福島放送局(59分)〇ETV特集「“悪魔の医師”か“赤ひげ”か~宇和島・腎移植騒動の12年~」NHK松山放送局(59分)〇映像’18「バッシング その発信源の背後に何が」毎日放送(50分)

私は白鳥(チューリップテレビ、2019/5/26放送、プロデューサー/中村成寿、ディレクター/梶谷昌吾)毎年800羽を超える白鳥が富山で越冬し、春になるとシベリアへ帰っていく。富山市でガス配送業を営む澤江弘一さん(58)は白鳥の飛来数を確認しながら、エサをやり、特徴のある白鳥にはユニークな名前をつけて世話をしてきた。昨シーズン、つがいの一羽が羽をけがして北帰行できず、富山に残った。これまで富山でひと夏を越した野生の白鳥は確認されていない。つがいの別れのシーンをカメラで撮影した澤江さんは、このつがいをもう一度再会させてやりたいと、孤独な白鳥の世話を始めた……。
映像’18 バッシング その発信源の背後に何が(毎日放送、2018/12/16放送、プロデューサー/奥田雅治、ディレクター/斉加尚代)いま学問とメディアはなぜバッシング対象とされるのか。高度に経済成長を果たした社会で、分断が深化した果てに、大衆自らが「自由から逃走」しようとした――ドイツの社会心理学者エーリッヒ・フロムは、かつて第二次世界大戦中にそう分析した。いま 現代版「自由からの逃走」が起きようとしているのだとしたら、その背後に目を向けなければ、逃走がやむことはないだろう。学問とメディアを「攻撃しろ」と扇動する人々と、それに「呼応する」人々。その社会的事象を描き、何が背後にあるのかを探っていく。
ざざ虫漁としげまさん(エコーシティー・駒ヶ岳、2019/4/15放送、プロデューサー/大沼和也、ディレクター/大沼和也)長野県南部、伊那谷の郷土食として親しまれる昆虫食「ざざ虫」。一見グロテスクな水中生物は歯ごたえと独特の風味が特徴の佃煮など、珍味として根付いている。厳しい寒さの中、天竜川のざざ虫漁を趣味で50年以上楽しんでいる菅沼重眞さんは、地元の小学生に漁の方法を教えたり、手作りの佃煮をまわりに振舞ったりしている。しげまさんの川に対する思い、子ども達に伝えたいこととは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【ケーブルテレビ部門】

「ふとうこうのじかん」大垣ケーブルテレビ(60分)〇「地域力の創造!栄町『支温の家』より」伊万里ケーブルテレビジョン(42分)〇「我がふるさとの中海~『環境新聞』30年の歩み~」中海テレビ放送(36分)〇「ざざ虫漁としげまさん」エコーシティー・駒ヶ岳(20分)〇「峻厳の答酬~山武郡市広域行政組合消防本部 新人研修~」広域高速ネット二九六(29分)〇「別れの乳房~97歳 赤十字従軍看護婦の証言~」秋田ケーブルテレビ(45分)〇「天災は忘れた頃に…入鹿切れ 死者941人」中部ケーブルネットワーク(25分)

 

海の日曜日(元町プロダクション 中北富代、プロデューサー/池谷薫 、ディレクター/中北富代)来年、阪神・淡路大震災の発生から25年の節目を迎える。本作は、震災で最愛の娘を亡くしたディレクターと夫が、つらい記憶と向き合い、家族の絆を確かめ合うセルフドキュメンタリーだ。建築家の夫は全壊した自宅の再建から復興への第一歩を踏み出した。自然との共生を目指すこの家の設計思想は、どこから生まれたのか。それを記録し、子や孫に伝えたい一心で妻はカメラを持った。ある日、映画『先祖になる』に感動した妻は、夫とともに東日本大震災で息子を亡くしながらも、みずから森で木を伐り自宅を再建した木こりの老人に会いに行ったが……。人は悲しみをどう乗り越えることができるのか。阪神と東北、二つの震災被災地を結ぶ、心の交流記。

 

【市民・学生・自治体部門】

「排除ベンチ~居心地の悪さをたどって~」東京大学情報学環教育部 排除ベンチ班(20分)〇「九死一生-元台湾人日本兵の記憶-」中央大学法学部 安徳祐(27分)〇「ハンセン病を生きて」中央大学総合政策学部 畠山桃子(25分)〇「源流の郷 あかまつ」美波町(29分)〇「海の日曜日」元町プロダクション 中北富代(52分)〇「日本語の壁」上智大学水島宏明ゼミ 寺原多惠子(16 分)〇「こもりうたを校庭で~ウチナータウンに生きる~」上智大学水島宏明ゼミ 岩崎瑠美(22 分)〇「伝えたい~農業家 河上めぐみ~」平島健一(28分)〇「大垣空襲~元少年兵の証言~」早稲田大学大学院  平木場大器(14 分)〇「ワクチンとバナナ-HPVワクチン訴訟・原告の声-」関西大学・里見ゼミ(53 分)

 

 

 

 

 

50年後のキミへ (兵庫県立伊丹高等学校、プロデューサー/白石太陽、ディレクター/与謝野凱)兵庫県立伊丹高等学校は、卒業後50年の先輩方を卒業式に招待する伝統行事がある。先輩方にとってこの50年はどんな年月だったのか。また、50年前、今の自分をどんな風に想像していたのか。高校放送部員が先輩方への取材をきっかけに、50年後の未来を追いかけた。

【高校生部門】

「龍勢と吉田の思い」埼玉県立川越高等学校(12.5分)〇「思いを継なぐ」椙山女学園高等学校(8分)〇「side by side」福島県立磐城高等学校(5分)〇「50年後のキミへ」兵庫県立伊丹高等学校(8分)〇「2019年春、辺野古は今」静岡大成高等学校(40分)〇「三高体操はじめ!」兵庫県立淡路三原高等学校(8分)〇「食物アレルギーを取り巻く思い」箕面自由学園高等学校(11分)〇「ホーム・ルーム」長野県松本深志高等学校(15分)

 

 

 

<第39回「地方の時代」映像祭2019 プログラム>

■11月16日(土) 12:30~18:20 第3学舎 ソシオAV大ホール

 12:30~14:00 第39回「地方の時代」映像祭コンクール贈賞式

 14:00~14:50 記念講演 今野 勉さん(テレビマンユニオン最高顧問・「放送人の会」会長)

「わがこと」としての地方(ふるさと)~テレビディレクター60年のいま考えていること~

<今野さんによるタイトルの趣旨説明>私は秋田県の農村に生まれ、4歳の時に北海道夕張市の炭鉱に移住しました。学生時代を仙台で過ごし、1959年にTBSに入社して以来、60年間東京住まいでテレビディレクターの仕事をしてきました。1970年の旅番組「遠くへ行きたい」をはじめとして、さまざまな番組で「地方」に出かけ、47都道府県、すべてに足を運んできました。その間に、人口11万人だった夕張市は、炭鉱廃山や財政破綻の末、人口8千人の町になりました。夕張を出て東京に移住した人たちが東京夕張会を結成して、30数年になります。私はその会の3代目の会長をつとめています。

そして、北海道に別宅を持って東京と往来するようになって30年です。その間、テレビディレクターとして、私は「地方」に、「ふるさと」にどう向かい合ってきたか、「地方の時代」という言葉に何を感じているか、などを話してみたいと思います。

 15:00~16:00 グランプリ受賞作品上映

 16:00~18:30 シンポジウム「メディアは地域の課題とどう向きあうか?」

    司会:音 好宏さん(上智大学教授)

    パネリスト:今野 勉さん(「放送人の会」会長)

    服部 寿人さん(チューリップテレビ取締役社長室長)

    加藤 典裕さん(中海テレビ放送社長)

    米村 秀司さん(鹿児島シティエフエム社長)

 記念公演した今野さんとともに登壇する3人のパネリストは、富山、米子、鹿児島で、地上波テレビ局、ケーブルテレビ局、コミュニティFMを牽引するリーダーたち。それぞれの地域で進めてきた具体的な活動事例を題材に、地域メディアに何ができるのか、課題は何なのかを語り合う。

 18:40~20:00 交流会(100周年記念会館)

 

■11月17日(日) 10:30~18:00(100周年記念会館)

午前・午後に計4つのワークショップを行うほか、別会場で受賞作品の上映会を行う。

【午前のワークショップ】10:30~13:45(予定) 別会場で①と②を行う

 ①高校生・大学生の映像制作 今年度の応募作品について相互批評を行うほか、高校や大学で映像制作を学ぶことの意味について、参加者全員で討論する。

 ゲスト:林 直哉さん(長野県松本深志高等学校)、水島 宏明さん(上智大学)ほか

 ②若者とケーブルテレビが地域を変える!  “若者のテレビ離れ”がさまざまな場で言われ、ケーブルテレビの利用者も高齢者が多くなっている中で、若年層への訴求を課題に掲げる局も少なくない。一方で、多くの地方都市が、過疎化対策をにらみ、若者の社会参加を課題に挙げている。コミュニティチャンネルを介して地元地域と深い関わりをもつケーブルテレビは、若者と番組づくりを共にし、地域と若者を結び付ける取り組みを進めている。そうした事例を共有しながら、若者と地域メディア、若者と地域社会の関わりを語る。

 報告:京丹波ケーブルテレビケーブルテレビ富山CCNGoolight(須高ケーブル)ほか

【午後のワークショップ】14:00~17:30(予定) 別会場で③と④を行う

 ③ネット時代とテレビのこれから テレビ放送のネットでの同時再送信や番組のネット配信など、テレビを取り巻く環境は大きく変化している。その中で地域のテレビ局・ケーブルテレビ局は今後の進路をどのようにとればよいのか。研究者と実務者を招いて語り合う。

 ④話題作『さよならテレビ』が問いかけたもの」 テレビ局が自らの報道現場にカメラを持ち込み、今のテレビが直面している課題と病理を描き出した話題作『さよならテレビ』(東海テレビ、2018年9月放映)を視聴。テレビ局は何故自らの弱い部分をさらけだす番組を開局60周年記念番組として制作したのか、「さよなら」に込めた制作者の思いは何かなどを語り合う。

 ゲスト:阿武野勝彦さん(東海テレビ)、圡方宏史さん(東海テレビ)、森達也さん(映画監督)ほか

 

■11月18日(月)~11月21日(木) 10:30~18:00(100周年記念会館)

 受賞34作品のほか、一次審査を通過した約70作品を上映する。

 

■11月22日(金)11:00~21:00 (関西大学 梅田キャンパス)

 梅田キャンパス(大阪市北区鶴野町1-5)7F、8Fで、入賞作品のセレクション上映を行うほか、夕刻からグランプリ作品を上映する。梅田キャンパスへのアクセスはコチラ http://www.kansai-u.ac.jp/umeda/access/

 ★『地方の時代』映像祭の公式ホームページはコチラ https://www.chihounojidai.jp/




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