12/18(土)箕面で「左手のピアノ国際コンクール」3年ぶり2回目、世界初の作曲部門も

第2次世界大戦で右腕を失いながらも左手で演奏活動を続け、ラヴェル「左手のためのピアノ協奏曲」などが生まれるきっかけを作ったオーストリア生まれのピアニスト、パウル・ウィトゲンシュタイン(1887-1961)を顕彰する「第2回 ウィトゲンシュタイン記念 左手のピアノ国際コンクール」が12月18日(土)箕面市立メイプルホール 大ホールで開かれる。

10時からは左手のアマチュア・ピアニストが登場する「ピアノ部門」の審査会、15時からは世界初の「プロフェッショナル・作曲部門」の審査会(本選)が行われ、選考結果は19時から発表する予定だ。

譜面審査で行われた作曲部門の予選には国内外から25作品の応募があり下記10人が予選を通過した。

左手のピアニスト 智内威雄(ちない・たけお)さん

【予選通過者(アルファベット昇順)】青木聡汰、土方渚紗、板村博貴(ひろあつ)、次郎丸智希、中村 節(たかし)、大野瑞季、朴 守賢(PARK, Soo-Hyun)、武谷あい子、VESTI, Ulrik、WITMER, David

作曲部門の演奏は智内威雄さんと、2018年に開かれた第1回プロフェッショナルピアノ部門優勝者の高岡準さんが分担して弾く。1日入場フリー券は当日販売のみ全自由席。一般1,000円、大学生以下500円(要学生証)。

 

「左手のピアニスト×日本センチュリー交響楽団 世界初演プロジェクト」

作曲部門の入賞者から委嘱者を選び2022年に演奏会

 

日本センチュリー交響楽団 ©Masaharu Eguchi

また、日本センチュリー交響楽団が進めてきた「左手のピアニスト×日本センチュリー交響楽団 世界初演プロジェクト」では、7月までのクラウドファンディングで101人から1,166,000円が集まった。今回の作曲部門の予選通過者の中から1人に左手のピアニストと同楽団員が共演する室内楽曲の新作を委嘱するという。

同楽団アンバサダー、近藤浩平さんは「委嘱する作曲家は、コンクールで予選通過作品10作品の演奏を聴いて楽団内で検討して候補を絞り込み、作曲依頼の条件を提示して合意できてから発表しますが、2022年の演奏会で初演する計画です」と話している。

近藤さんが作曲を担当した阪神淡路大震災と左手のピアニストの映画「にしきたショパン」(竹本祥乃監督作品)は今夏、マドリード国際映画祭で最優秀作曲賞を受賞した。

「智内威雄さん、舘野泉さんら著名なピアニストだけでなく、局所性ジストニアをはじめ負傷や様々な要因のために、左手だけで演奏するピアニストが数多く活躍し、新しいピアノ音楽の世界を開拓しつづけています。一人でも多くの人に関心を持っていただければ」と近藤さんは話す。

局所性ジストニアとは音楽家に多くみられる、指などの筋肉収縮を引き起こす神経疾患

 

 

コンクール翌日12/19(日)に表彰式と「第15回左手のアーカイブコンサート」

 

コンクール翌日の12月19日(日)には、同じ箕面市立メイプルホール 大ホールで10時から作曲・ピアノ部門の表彰式とピアノ部門入選者(6人前後を予定)の演奏がある。入場無料(事前予約不要、全自由席)。11時30分終了予定。

 

また、14時からは、今回の国際コンクール開催を記念して「第15回左手のアーカイブコンサート」が開かれる。ピアノ部門大賞受賞者(3人前後を予定)の演奏、作曲部門大賞と入選作品の演奏を行う。

全席自由で前売り2,000円、当日2,200円(フレンド会員は各200円引き)。ライブ配信のオンラインチケット前売り・当日ともに1,500円(ライブ配信後12/19~26の間、何度でも視聴できる)。チケットの問い合わせはTEL072・721・2123、箕面市立メイプルホールへ(9~17時、月曜休館)。




※上記の情報は掲載時点のものです。料金・電話番号などは変更になっている場合もあります。ご了承願います。
カテゴリ: エンタメ