ワールドマスターズゲームズを盛り上げよう! 大学生が柔軟な事業プランを提言

 12月10日、大阪市内でインターカレッジ・コンペティション2019が開催され、大学生が「ワールドマスターズゲームズ2021関西」を活用した地域活性化策のアイデアを審査員に向けてプレゼンテーションした。

 「ワールドマスターズゲームズ2021関西(WMG)」は、2021年5月14日~30日の期間中、近畿を中心に10府県の広域エリアで行われる世界最大級のスポーツ祭(https://www.asahi-family.com/news/21687※過去記事参照)。開催まで1年半あまりとなり、各地で機運醸成のための様々な取り組みが検討されている中、全国の大学生に大会をさらに盛り上げる新鮮で柔軟な事業プランを提案してもらおうとWMG組織委員会とスポーツコミッション関西が主催した。関西を中心に11大学20チームの応募があり、午前中の予選を勝ち抜いた6チームが、各チーム10分の持ち時間でプレゼンテーションを行った。「オリジナリティー」「論理性」「インパクト」「実現可能性」「プレゼンテーション能力」の5つの審査項目のもと、(一社)日本スポーツツーリズム推進機構会長で審査委員長の原田宗彦氏ら8人の有識者が審査を行った。

 「WMG2021開催にあたり、その成果を最大にするための企画」という共通の課題が設定されつつも、各チームの提案内容はバリエーションに富み、「京都の伝統工芸とWMGを組み合わせた商品による地域活性化」「規制緩和を活用した地域交通網の改善」など、それぞれに自由な課題設定と切り口からの発表が繰り広げられた。優秀な企画提案については実施を前提に組織委員会が検討に入ることから、各チームともフィールドワークを重ねて、実現可能性を高めるための裏付けを入念に行っていた。

最優秀賞・スポーツ庁長官賞を受賞した和歌山大学観光学部 伊藤ゼミ(竹本チーム)

 最優秀賞・スポーツ庁長官賞に選ばれたのは和歌山大学観光学部・伊藤ゼミ3年生の5人。組織委員会が目標としている海外2万人の参加者の大多数が日本食を楽しみにしている一方で、世界中でマーケットが拡大するベジタリアン市場に対応しきれていない現在の日本の飲食事情に着目。「WMGベジタリアンプロジェクト」と銘打ち、飲食店におけるベジタリアンメニュー表記の改革案やWEBサイトの充実を提案し、訪日ベジタリアンが滞在中もストレスなく食事を楽しめる環境作りの重要性を訴えた。大会後もWEBサイトを継続し、訪日ベジタリアンの食事の選択肢を永続的に豊かにしようとする「レガシー作り」にも及んだ視点は、審査員からの注目を集めていた。

 チーム代表者の竹本朱理亜さん(和歌山大学観光学部3年生)は、「2021年には私たちチームメンバーは大学を卒業しているが、この提案内容が実現に向けて進めば、その活動を私たちのゼミの後輩にも引き継げる。ゼミ自体のレガシー作りにもなったと思う」と受賞を振り返った。

 WMG組織委員会の中塚則男事務局長は「今回、学生のみなさんからいただいた提案はすべて実現可能性の高いものばかりだった。学生と共に実現に向けて進めていける仕掛けを、これから考えていきたい」と話した。




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