虐待や不登校、発達障害にワンストップで対応 尼崎に子どもの育ち支援拠点が開設

 尼崎市は、児童虐待や不登校、発達障害など、課題や困難を抱える子どもとその家庭への支援や相談を一体的に行う総合施設「いくしあ(子どもの育ち支援センター)」を、10月1日に開設した。福祉、保健、教育の関係部局が分野を超えて連携しながら、0歳~18歳の子どもとその家庭を年齢の切れ目なく継続的に支援。初めての子育てへの不安から不登校、子どもの発達や行動で気になることなど幅広い相談を、児童専門のケースワーカーをはじめ相談員が受け止め、一緒に考えながら寄り添う中で情報提供や助言を行い、解決イメージを共有していく。

10月1日に開業した子どもの育ちセンター「いくしあ」(尼崎市若王寺2丁目)

 旧聖トマス大学の校舎を再利用した3階建ての施設は、各階が異なる機能を持つ。1階は「理解する・つながる」フロアで、入り口すぐの受付兼相談室では、相談員7人体制で来所や電話相談に対応。12部屋の個別相談室も設けている。

 2階は「活動する・広がる」フロアで、子どもの発達相談支援、家庭児童相談支援の役割を果たす。ブランコやトランポリンなどで子どもが体の動かし方などを知るための「感覚統合室」や、言語聴覚士などの各専門分野が対面して話を聞いたり子どもの様子を見る「幼児支援室」などが配置される。「発見する・はばたく」フロアの3階には、箱庭療法により児童の心理状態を分析できる部屋や医師の診察室、不登校の子どもが通学できる学習室などがある。

箱庭療法ができるプレイルーム内を案内する友弘真由美さん

 尼崎市は児童虐待の相談件数、不登校の出現率が高く、その改善は市にとって最重要課題の一つとされてきた。「虐待や不登校が起きるその背景には、子どもが発達障害を抱えているケースがある」と支援センター企画課の友弘真由美さんは話す。これまでは市の別々の機関で対応してきた虐待、不登校、発達障害の相談支援をワンストップで行う拠点の完成により、これらの問題を抱える子どもとその家族に対して、よりきめ細かな対応や予防ができるようになるという。

 開館時間は平日午前9時~午後5時30分。電話での相談は06・6430・9989。




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